屈腱炎発症で無念…スリープレスが引退

[ 2009年9月27日 06:00 ]

昨年のスプリンターズSの口取りで記念撮影に納まるスリープレスナイトと上村洋行騎手

 秋のG1第1弾スプリンターズS(10月4日、中山)を1週間後に控えた26日、衝撃が走った。昨年の優勝馬スリープレスナイト(牝5=橋口)が右前屈腱炎を発症し、同レースの回避を発表。治療での長期休養を選ばず、引退することが濃厚となった。

 沈痛な表情で橋口師が切り出した。「スリープレスナイトがスプリンターズSを回避することになりました。右前屈腱炎です」。管理馬(グレナディーン)が阪神4Rの新馬戦を快勝した直後のこと。本来なら、お祝いムードに包まれるところだが、厩舎の看板馬の故障発表とあって重苦しい空気が流れた。
 スリープレスナイトに異変が生じたのは前走のセントウルS(2着)を走り終えた後。レース後3日間は休養し、乗り運動を再開したが、その時に右前脚の裏スジに異常が生じていた。エコー検査は、27日に予定されているが「腫れ方は目で見て分かる」と長年のキャリアから、検査の結果を待たず屈腱炎と判断した。
 回避の決断には「症状も下級条件なら使えるほどだが、G1レースは過酷。しかも1番人気になるような馬だからね。ずっと心が揺れていた」と心情を吐露。さらに「オーナーと相談してからだが、個所が個所だけに、このまま引退になると思う」と語った。
 芝、ダート兼用の名スプリンターは夢半ばで戦列を離脱。長期休養ではなく、競走馬登録を抹消して来春からの繁殖生活を選択することになりそうだ。

続きを表示

2009年9月27日のニュース