【函館2歳S】ステラリード2歳一番星!森師全場重賞V

[ 2009年8月10日 06:00 ]

<函館2歳S>岩田康誠が騎乗したステラリードが2009年2歳馬の重賞一番星に輝いた

 今年初めての2歳重賞「第41回函館2歳S」が9日、札幌競馬場で行われ、1番人気に支持されたステラリードが直線、馬群を割って伸び、優勝した。この勝利で、管理する森師はJRA競馬場全場での重賞制覇を達成した。

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 激しい攻防となったラスト1F。馬群がバラけて、ステラリードの視界が完全に開けた。こうなれば、あとはゴールを目指すだけ。岩田のゴーサインに反応するとグンと加速。ハジけるように伸びて最後はキョウエイアシュラの追撃をアタマ差で封じ込んだ。これでデビュー2連勝で重賞V。岩田が満面に笑みを浮かべ、レースを振り返る。
 「若干、窮屈になって抜け出すときにとまどっていたけど、馬の力を信じて乗った。最後は“差せ”って祈りながら追ったよ」
 人馬が呼吸をピッタリと合わせ、1番枠の利点をフルに生かした。道中は中団を追走。コースロスのないラチ沿いでギリギリまで脚をタメた。他馬にビッシリ囲まれてプレッシャーを受けるポジションでも、ほんの少しも動じる素ぶりを見せない。この、しんの強さを岩田は絶賛する。
 「牝馬だし、少しうるさいところがあるけど、それを能力でカバーしてくれた。レースに行けば素直だし、負けん気が強いね」
 陣営と岩田が一体となって仕上げてきた。繊細な気性の牝馬とあって調整には細心の注意を払っている。「競馬場と違って牧場では凄く落ち着いている」(日高助手)という点を考慮し、放牧先のグローバル牧場(門別)に岩田が駆けつけて1週前追い切りを消化。滞在先の函館には期限ぎりぎりとなるレース10日前に入厩した。これも余計な消耗を避けるため。打つべき手をすべて打って決戦に備えた形。調教パートナーを務める日高助手は出来の良さを感じ取っていた。
 「調整がうまくいきましたね。レース前の雰囲気は初戦と同じような感じ。思っていたより、輸送で体が減らなくてプラス体重で出せたのもよかったです」
 森秀行師にとっては、この勝利が記念すべきJRA全10場重賞制覇。この日、新潟でレースを見届けた森師は「8年くらい前に、あと札幌だけになって意識していた。達成できてよかった」とニッコリ。また、ステラリードについては「今後は放牧へ。距離が延びても頑張ってほしいね」と大きな期待を寄せていた。夏の2連勝は、まだまだ通過点。次走は秋になる見込みで「もっとどっしりしてくれば上を目指せる」と岩田の評価も上々。2歳牝馬戦線の頂点が、この勝利で視界に入ってきた。

 ▼ステラリード 父スペシャルウィーク 母ウェルシュステラ(母の父ザフォニック)牝2歳 栗東・森秀行厩舎所属 馬主・広尾レース 生産者・北海道浦河郡浦河町ビクトリーファーム 戦績2戦2勝 総獲得賞金3956万円。

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2009年8月10日のニュース