父子制覇を津村が最高サポート/京都金杯

[ 2009年1月6日 06:00 ]

「京都11R・京都金杯、直線早々と抜け出たタマモサポートが快勝

 新春の京都でマイル路線のニューヒーローが誕生した。スポニチ賞京都金杯は好位で脚をタメた7番人気タマモサポートが直線で一気に抜け出し後続に2馬身差の完勝。88年にこのレースを制したタマモクロスに続く父子制覇を達成。父と同様に“遅咲きの星”が春のマイル戦線をリードしていく。鞍上・津村は23歳の誕生日を自ら祝うバースデーVとなった。

 G1クラスの実績馬たちが相手でも付け入るスキを一切与えなかった。スタートからゴールまでタマモサポートが完ぺきと思えるレース運びで淀のマイルを完全に攻略した。2着マルカシェンクとの2馬身は決定的な着差と言っていい。津村は笑顔でレースを振り返った。
 「センスがいい馬。ゲートを出て道中は馬のリズムに任せようと思っていた。以前と比べて落ち着きが出てきたのが大きいね」
 3年前の重賞V(ラジオNIKKEI賞)も、前走・キャピタルS快勝も自身の手綱。パートナーとは絶対的な信頼感でつながっていた。抜群のタイミングでゲートを飛び出すと道中3番手で折り合いはピッタリ。ラチ沿いをそつなく立ち回り、あとは直線で追い出すだけ。そのまま一直線に伸びて人馬ともに2度目の重賞Vを飾った。
 この日は津村の23回目の誕生日。主戦場の関東エリアではなく“アウェー”京都で1鞍限定騎乗となった。これ以上ない形で自らを祝い「本当に最高の誕生日になりました」とさらに笑顔は広がった。前日には同期の川田が中山金杯(アドマイヤフジ)を制し、04年デビュー組が連日、東西で存在感をアピールした。
 「あいつ(川田)も中山に来て1鞍だけの騎乗で勝ったし、いい刺激になった。僕も1鞍で結果を出せて良かったですよ」
 津村だけではない。丑(うし)年生まれの年男、元日に48歳になったばかりの藤岡健師にとっても4日遅れの“バースデーV”。「道中いいパターンで運べていたし追ってからもしっかり。強かった。津村が上手に乗ってくれたね。これで路線は決まった。今年は大きいところを狙っていきたい」。6歳にしてついに本格化を果たした遅咲きタマモサポート。師が描く今季の青写真はマイル路線一本勝負。馬の状態次第だが、次走は東京新聞杯(31日)へ向かう。そのさらに先には春の大舞台がはっきりと視界に入っている。

 ◆津村 明秀(つむら・あきひで)1986年(昭61)1月5日、千葉県生まれの23歳。競馬学校卒業時、最も優秀な生徒に贈られるアイルランド大使特別賞を受賞。04年、鈴木伸厩舎から騎手デビュー。同期は吉田隼、川田、藤岡佑ら。06年ラジオNIKKEI賞をタマモサポートで勝っており、スポニチ賞京都金杯が重賞2勝目。07年からフリー。1メートル68、51キロ。血液型O。

 ▽タマモサポート 父タマモクロス 母アンサーミー(母の父ジョリーズヘイロー)牡6歳 栗東・藤岡健一厩舎所属 馬主・タマモ 生産者・北海道新冠町対馬正氏 戦績27戦6勝 総獲得賞金1億9126万円。主な勝ち鞍は06年ラジオNIKKEI賞。

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2009年1月6日のニュース