アディア良血の闘争心さすが!/阪神JF

[ 2008年12月12日 06:00 ]

併走馬・ブルーモーリシャスを突き放したアディアフォーン(手前)

 「第60回阪神ジュベナイルフィリーズ」(14日)の木曜追いが11日、栗東トレセンで行われ、名牝ファレノプシスの子、アディアフォーンが母娘G1制覇へ軽快な走りを披露。また、1勝馬17頭による抽選でブエナビスタなど6頭の出走が決定した。

 大舞台になれば血が騒がないわけがない。桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯とG13勝を挙げた名牝ファレノプシスの血を受けたアディアフォーンが力強く躍動した。馬場が悪化した坂路では「オーバーワークになる」(橋口師)との判断から最終追い切りはDWコースに変更。スパッと切れる印象はなかったもののブルーモーリシャス(2歳未勝利)にしっかり1馬身半先着した。安藤勝に代わって初コンビを組む小牧も満足顔。「最後だけ伸ばす感じ。乗りやすい馬だよ。派手さはないけどレースでの印象と同じで行き出すとしぶといね。いいんじゃない」と手綱から伝わる感触を口にした。
 前哨戦のファンタジーSは勝ったイナズマアマリリスから首、鼻差の3着惜敗。そのままでは阪神JFで賞金除外になる恐れがあったため中1週の500万平場に出走しきっちり勝ち上がった。こんなローテーションにも2歳女王の座に懸ける陣営の意欲が表れている。橋口師は手応えをこう語った。「すべてはここに出すため。今まで1400メートルしか使っていないけど距離はもっとあっていい。安藤(勝)さんが言ってるしオレもそう思う。派手な勝ち方をしないから人気はないかもしれないけど強いよ、この馬は」
 5戦して4着以下は1回もない堅実派。しぶとさという持ち味を最大限に生かせれば混戦で浮上するチャンスはある。小牧はレース騎乗こそ初めてだが、調教には何度も騎乗し癖もつかんでいる。「追い出してすぐに反応しないところがある。そのあたりに注意したい。レースを見てもセンスの良さは感じる」
 阪神芝のコース改修で一昨年から長い直線での地力勝負となった2歳女王決定戦。息の長い脚を使えるアディアフォーンが偉大な母に続く力走を見せる勢いだ。(原口 公博)

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2008年12月12日のニュース