福永 勝つほどに遠ざかった「親父の背中」

[ 2008年9月28日 06:00 ]

父・洋一氏の通算勝利数の「983」に並んだ福永は、父への想いを交えインタビューに応える

 阪神4Rをリーティラで勝ち、福永が父・洋一氏(59)に並ぶJRA通算983勝をマークした。「周りからあと何勝だと言われ、親父の残した足跡がたくさんの人の心に残っているのだと感じられてうれしかった」とウイナーズサークルで淡々と話した。大きな歓声が飛ぶことはなく、ファンは静かに聞き入っていた。

 珍しい光景だ。元祖・天才騎手の父に並んだ心境を「親父はこれから、という時に志半ばで倒れた。その背中を追いかけてきたのに(勝利数が)近づくにつれて逆に遠ざかっていった気がする。親父には追いつけないと思います。ただ、福永洋一の息子じゃなかったらこの世界に入っていなかったし、僕のルーツですから」。今後、積み重ねていく数字は父を超えるものになるが、永遠に超えられない存在だと強調した。
 リーティラの馬主・吉田修氏は「私の父の代には“ファイン”の冠名で洋一さんに何度も勝たせてもらったんです」と息子の言葉に耳を傾け感無量の表情だった。

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2008年9月28日のニュース