レーツェル「V」TR!!最後の1冠必ず獲る

[ 2008年9月22日 06:00 ]

ローズSはマイネレーツェル(中)が、レジネッタ(奥)、ムードインディゴ(手前)との叩き合いを制し勝利

 阪神のメーン「第26回ローズS」は7番人気マイネレーツェルが重賞2勝目を飾り、秋華賞(10月19日、京都)の有力候補に躍り出た。

 譲れない、絶対に譲れない。直線残り100メートル付近から3頭が横一線、火の出るような追い比べ。内に桜花賞馬レジネッタ、外にムードインディゴ。マイネレーツェルは川田のムチに応え首をグイグイと前へ。春のフィリーズレビューに続き、今度も際どい鼻差での重賞Vとなった。
 それでもスローVTRでは勝利を確認できた。五十嵐師、厩舎スタッフは検量室前の1着馬用のゾーンへ。自然と出来上がった歓喜の輪。それを見て、引き揚げてくる川田の表情にも笑みが広がった。「勝ったのか負けたのかは分かりませんでした。でも厩舎の人が1着のところにいてくれたので、そこで勝ったんだと分かりました」。コンビを組むのは昨秋のファンタジーS8着以来。再び任された手綱の重みを、川田はしっかりと受け止めていた。「自分が結果を出せなくて降ろされたのに、また乗せてもらえるチャンスをいただいたわけですから」
 これまで課題としてきたゲートはクリア。さらに道中、人馬の呼吸が乱れるシーンもなし。鞍上はパートナーの気持ちを最優先に導いた。その結果が最後の粘りを生み出した。
 ひと夏を越しての成長度も見逃せない。前走・オークス9着時と比べて馬体重は12キロ増の412キロ。小柄には違いないが、きゃしゃな印象は一切なし。むしろ、400キロ台前半とは思えないボリューム感がある。
 オークスでは直線で前をカットされ9着と不完全燃焼に終わった。陣営にとって「雪辱」が秋のテーマとなる。レース後、五十嵐師は秋華賞への意気込みを口にした。「これで(春のG1上位馬と)力の差がないことは分かった。何とか獲りたいね」
 トライアルVは桜花賞(6着)と同じパターン。目標はハッキリしている。勝負はこの次、牝馬3冠最後のタイトルしかない。
 ▼マイネレーツェル 父ステイゴールド 母ケイアイベール(母の父サクラユタカオー)牝3歳 栗東・五十嵐忠男厩舎所属 馬主・サラブレッドクラブ・ラフィアン 生産者・青森県南部町佐々木牧場 戦績12戦4勝 総獲得賞金1億4932万7000円。

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2008年9月22日のニュース