ズババ!セイウンのこころ差し/新潟2歳S

[ 2008年9月8日 06:00 ]

新潟2歳Sを制したセイウンワンダー(左端・8番)

 最後方から大物君が来た~!不良馬場で行われた新潟2歳Sは、1番人気セイウンワンダーが外ラチを剛脚で駆け抜けて優勝。鞍上の岩田、領家師とも2歳重賞初Vとなった。

 2着との差はわずか1馬身半。だが、それ以上にセイウンワンダーの強さが際立った1戦だった。
 「ガチ焦った」と独特の言い回しでレースを振り返った岩田が話したシーンはスタート直後。単勝2・5倍という圧倒的1番人気に推されていた馬がまさかの出遅れ。真ん中の枠だったことも災いして進路がふさがれ自然と位置取りは後方に下がってしまった。
 大きなどよめきが起きるスタンド。それとは裏腹に手綱を握っていた岩田は落ち着き払っていた。腹を据えて最後方から行くと決めるとじっくり脚をタメてマイペースの追走。動きだしたのは3コーナーだった。
 ここからが岩田の真骨頂。すぐ内を走っていた福永の言葉を借りれば「僕もあの大外を狙っていた。しめしめと思って馬群を追走していたのに、いつの間にか(岩田に)ピッタリ外に張り付かれた」。直線内を突かざるを得なくなった福永を尻目に、岩田は馬場のいい外ラチ目指して一気にポジションを取りゴールを目指した。
 それに応えたワンダーがはじき出した上がり3Fはメンバー中最速の34秒4。不良馬場を考えればこの数字も馬の強さを証明するもの。岩田は「直線はあのポジションしかないと思っていたし、ファンの声援が凄く聞こえて後押ししてもらった。追い出してからの反応が凄くいい馬で先が楽しみ」と高い評価を与えた。
 07年7月の北海道セレクションセールで840万円でJRAに購買されたワンダーは、今年4月のJRAブリーズアップセールで2730万円という一番高い価格で競り落とされたように評価が高かった馬。
 領家師は「動きの良さと脚元がしっかりしていたことで(馬主に)購入してもらったが勝てて良かった。強い内容だった。今年はG1にこだわらずあと1戦して休養させたい。(距離は)皐月賞(2000メートル)まで大丈夫だと思うし、大事に成長させたい」と早くも来年のクラシックを見据えて新潟を後にした。
 ▼セイウンワンダー 父グラスワンダー 母セイウンクノイチ(母の父サンデーサイレンス)牡2歳 栗東・領家政蔵厩舎所属 馬主・大谷高雄氏 生産者・北海道新ひだか町の筒井征文氏 戦績3戦2勝 総獲得賞金4033万2000円。

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2008年9月8日のニュース