ポピー女心と春のソラ/チューリップ賞
桜花賞トライアル「第15回チューリップ賞」で断然の主役を務めるのが阪神JFウイナーのトールポピーだ。抽選をくぐり抜けて2歳女王の座をつかんだ強運のパートナーを主戦・池添謙一騎手(28)はどう評価しているのか。「直球勝負 キーマンの懐へ」で迫った。(ターフライター・平松さとし)
【チューリップ賞登録馬
ポピー成長
】
――トールポピーの前走(阪神JF1着)は12分の6の抽選を突破しての出走。確実に出られる馬の騎乗を断っての騎乗でした。
池添 はい。この馬にはデビュー前の調教から乗せてもらい、相当の器だと感じていました。直前の調教から出来がいいことも分かっていたので、除外は覚悟で騎乗依頼を受けました。
――18頭立ての15番枠というのは心配なかったですか?
できれば内枠がいいと思っていました。でも、決まったものは仕方ないので“ゴチャつかなくていい”と考えを切り替えました。
――デビュー当初はスタートが遅くて、この時も少し遅め。
トモ(後肢)が甘いので1、2戦目はスタートで遅れ気味でした。ただ、前走は初めてのマイル戦で周囲の馬が速かったということだと思います。この馬自身は、それほど遅かったわけではありません。
――道中、少しモタモタしていたのも初めてのマイル戦の影響?
そうだと思います。でも逆に考えれば、それだけ折り合い面での心配はない馬なんです。それは強みだと思います。
――直線では内の馬と接触?
はい。一瞬ヒヤリとしたけど、立て直すと再び伸びて真っすぐ走ってくれました。
――以前は抜け出してからソラを使い(気を抜いて)モタれたことがあったものの、この時は真っすぐに走っていた。
モタれた時は外からムチを入れたら内へ行ったので、この時は内から叩きました。それと普段は全くモタれるような心配はない馬。問題はソラを使うことだと思います。でも、ゴールまで叩き合うような形になれば真っすぐ走ってくれると思っていました。
――ソラを使う面はデビュー戦から何度も見せていた。そのあたりの心配はもうない?
中間の調教では相変わらずそういう感じを出しています。ただ、これからはオープンでの競馬になります。強い相手とゴール前までもつれるようなら、ソラを使わずに済むのでいいと思います。
――道中ハミを取らないようなそぶりを見せることもあった。そのあたりは?
その点は調教だけでは分かりません。ただ、トモは随分と力をつけてしっかりしてきました。肉体面での成長はうかがえるので期待できそうです。
――以前は少しうるさい面があった。精神面の成長は?
うるさいのは相変わらず、というか休んでいる分、一段とうるさくなっているかもしれません。でもそれだけ元気だと考えれば悪いことではないでしょう。
――休み明けで太くはないですか?
太いというよりふっくらしていていいという感じです。目標はまだ先だけど、牝馬相手には負けていないので期待しています。