7歳モナーク“初笑い”/日経新春杯

[ 2008年1月21日 06:00 ]

ゴール前、中央から抜け出して来たアドマイヤモナーク

 京都競馬場20日のメーン「第55回日経新春杯」は、アドマイヤモナークが豪快にまくって重賞初V。安藤勝己騎手(47)にとっても同一重賞連覇となった。

 表彰式後のインタビュールームに、松田博師の陽気な関西弁が響いた。「もう年やからな。周りが年寄りを立ててくれたんと違うか」。アドマイヤモナークが7歳で待ちに待った重賞初制覇。デビュー61戦目で初タイトルを手にしたサファリオリーブ(90年新潟記念)には及ばないが、こちらも38戦目(重賞11戦目)の長い道のり。03年デビューから苦節5年、初勝利を挙げるまで9戦もかかった奥手のアドマイヤモナークが、ようやく勲章を手に入れた。98年の仏愛ダービーを制しながら、種牡馬としては日本で全く結果を残せない父ドリームウェルにとっても待望の産駒の重賞初V。喜びをもたらせたのはアンカツの腕だ。
 前々で競馬すると、最後が甘くなるタイプ。そこで安藤勝が立てた作戦は思い切った後方待機策。13番手で息を殺し、3コーナーから外めを進出して直線に向くと、同枠、同馬主の1番人気アドマイヤジュピタをあっさりとかわして先頭へ。ゴール前で気を抜く悪癖がもたげた7歳馬を剛腕で懸命に鼓舞し、2着ダークメッセージに1馬身1/4差をつけた。
 「最後はちょっと遊んでいてヒヤッとしたけど、よく頑張ってくれた。状態はすごくいいと感じていたし、何とかならんかなとは思っていたんだ」と満足げに振り返った安藤勝。「もともと力はある。もっと早く勝ってもおかしくなかったが、気の悪いところがあったからね。距離は全然心配ない」。今年最初のタイトルを昨年のトウカイワイルドに続く同一重賞連覇でつかんだアンカツから笑みがこぼれた。
 今後はダイヤモンドS(2月17日、東京)を視野に調整する。春の天皇賞へ道も開けた7歳馬。まだまだ“若い者”には負けられない。

 ◆アドマイヤモナーク 父ドリームウェル 母スプリットザナイト(母の父トニービン)牡7歳 栗東・松田博厩舎所属 馬主・近藤利一氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績38戦7勝 総収得賞金2億5124万9000円。

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2008年1月21日のニュース