ゴッホの乱!ムーン大差の年度代表馬

[ 2008年1月9日 06:00 ]

開けてみれば、文句なしの年度代表馬だったアドマイヤムーン

 昨年1年間のホース・オブ・ザ・イヤーを決定する07年度JRA賞受賞馬選考委員会(報道機関の代表8人で構成)が東京・港区のJRA六本木事務所で開かれ、年度代表馬にアドマイヤムーン(牡5)が選出された。64年ぶりに牝馬ダービーVを達成したウオッカ(牝4=角居)、天皇賞春秋連覇のメイショウサムソン(牡5=高橋成)と通算3000勝を達成した武豊騎手(38)は特別賞を授与。授賞式は28日に都内のホテルで行われる。

 混戦が予想された年度代表馬だったが、フタを開けてみればアドマイヤムーンの圧勝だった。2位ダイワスカーレットに100票以上の差をつけ、2冠となった最優秀4歳牡馬部門では、メイショウサムソンを200票以上引き離した。
 天皇賞春秋連覇のサムソン、G13勝のスカーレットに、64年ぶりの牝馬によるダービー制覇を成し遂げたウオッカ。3頭ともに年度代表馬の有力候補と目されていたが、暮れの有馬記念でマツリダゴッホに敗れたことから風向きが一変。ムーンはドバイデューティフリーを含む国内外G1・3勝を挙げており、宝塚記念、ジャパンCでサムソンに先着している点が評価され大量得票につながった。
 受賞の知らせを受けた松田博師は「非常に光栄。選ばれて当然の成績を残したと思っています」と笑顔。引退レースとなったジャパンCでムーンを勝利に導いた岩田騎手も「天皇賞(秋=6着)で負けていたので、最後にムーンが一番強いということを証明できてうれしかった。東京競馬場の大観衆の前でウイニングランをできたのは素晴らしい思い出。チャンスを与えてくれた関係者に感謝したい」と喜びを表現した。
 ムーンはすでに競走馬登録を抹消し、北海道・日高町のダーレージャパンスタリオンコンプレックスで今春の種付けに向けて休養中。松田博師も「種牡馬として最高の形で送り出せたし、たくさんいい子を出してほしい」と期待を寄せる。順調に行けば3年後の11年に産駒がデビュー。現役中にトレードされ、成績以外でも競馬界の話題をさらった名馬が、今度は種牡馬として競馬史に名を刻めるか注目だ。

 ◆アドマイヤムーン 父エンドスウィープ 母マイケイティーズ(母の父サンデーサイレンス)牡5歳 ダーレージャパンファーム [栗]松田博 岩田康誠 ノーザンファーム 6戦4勝 8億3518万3300円(ドバイデューティフリー、宝塚記念、JC)。
 ◆プロフィルの見方 馬名、父、母(母の父)、現在の性齢、馬主、所属厩舎、受賞騎手、生産者、07年成績、同年獲得賞金(主な優勝レース)※獲得賞金は海外、地方交流レースを含む。

 ▼年度代表馬 啓衆社(専門紙ケイシュウニュースの前身)主催で1954年(昭29)からスタート。72年からJRA発行の月刊誌「優駿」、87年からはJRAが主催。受賞馬以外に活躍が認められた馬には特別賞が授与される。

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2008年1月9日のニュース