輸入車、初のシェア10%超…円高でも値下げせず

[ 2012年1月11日 19:59 ]

 日本自動車輸入組合は11日、2011年の輸入車の販売台数は前年比22・5%増の27万5644台だったと発表した。国内の新車販売(軽自動車を除く)に占める輸入車の割合は10・3%と、年間で初めて10%の大台を超えた。東日本大震災で国内部品工場が被災し、日本メーカーの生産が滞る中、影響が少ない外国勢がシェアを伸ばした。

 ただ歴史的な円高にもかかわらず、各社は日本での販売価格を引き下げていない。消費者からは円高還元の値下げを求める声も強まりそうだ。

 欧州勢を中心に日本市場のニーズに合わせて燃費を高めた商品を投入したこともシェア拡大につながった。

 ブランド別の販売台数では、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)が8・4%増の5万635台となり、輸入車として12年連続で首位を守った。日本のエコカー減税に合わせて主力車「ゴルフ」などのエンジンを改良して燃費を向上させた。

 ドイツの高級車アウディは25・6%増の2万1166台で過去最高を更新。アウディジャパンの大喜多寛社長は「国産車が環境対応を強化する中、走りの良さを求める顧客は輸入車を選んでくれた」としている。

 日本市場は閉鎖的と批判を強める米国勢ではフォードが13・8%増の3469台でトップだった。

 値下げしない理由について、VWグループジャパンは「装備を充実させているほか、メンテナンスや無償サービスなどを実施し、消費者に還元している」と説明する。

 11年の国内の新車販売全体は15・1%減の421万台と34年ぶりの低水準にとどまった。

 日産自動車がタイで生産する小型車「マーチ」のように、日本メーカーの逆輸入も増加。ただ外国メーカー車に限ったシェアも7・7%で過去最高だった。

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2012年1月11日のニュース