新車購入数カ月待ちも…販売店、受注は前年並み

[ 2011年5月2日 19:54 ]

 新車販売台数は落ち込んだものの、東日本大震災の被災地で破損した自動車を買い替える動きも出始めるなど需要は堅調だ。「人気のミニバンで2カ月待ち。高級セダンだと9月以降の納車になる場合もある」といい、新車を買いたくても買えない状況は当分続きそうだ。

 大阪市の自動車販売会社では4月の受注は前年並みだったが、メーカーからの供給が追いつかず、販売台数は約4割減少した。当面、納車までに時間がかかるとして、6月や7月に車の買い替え時期を迎える顧客と早めの商談を始めたという。

 被災地の販売会社関係者が「新生活が動きだすにつれて、車の需要も増えてきた」と指摘するように、買い替え需要も盛り上がりつつある。仙台市に住む病院勤務の女性(37)は職場の駐車場で通勤に使っていた車が被災し、4月下旬に新車の購入を決めた。「震災直後は自転車を使っていたが、職場が遠く、子どもも2人いるので、もう限界」と話す。

 ただ、メーカーも被災地には優先的に新車を供給しているもようだが、仙台市に本社を置く自動車販売会社の役員は「4月は顧客の注文に対し半分くらいしか販売できなかった」と嘆く。4月の受注は6割ほど増えたが「車を必要としている人にすぐ渡せない」状況で、改善の見通しは立っていないという。

続きを表示

2011年5月2日のニュース