昨秋からプリウスに苦情!クレーム隠し否定も…

[ 2010年2月4日 19:29 ]

 トヨタ自動車の横山裕行常務役員(品質保証担当)らは4日、東京都内で記者会見し、昨年5月に発売した新型「プリウス」のブレーキに不具合があるとの苦情が、昨秋から販売店を通じて寄せられていたことを明らかにした。

 トヨタは急ブレーキをかけた時にスリップを防ぐ「アンチロックブレーキシステム(ABS)」の電子制御に苦情の原因があると判断。今年1月末になって、制御ソフトの設計を変更し、生産段階から改善した。苦情や改善内容は公表しなかった。横山氏は「日々の品質改善の一環だった。クレーム隠しではない」としている。
 トヨタは販売済みのプリウスの自主改修を検討。国土交通省と協議に入る。海外での大規模リコールに続くプリウス問題は、トヨタの品質管理や安全対策にあらためて疑問を投げかける形になった。
 プリウス以外の車種で起きた海外での大規模リコールや改修は、2010年3月期連結決算の営業利益を1700億~1800億円程度減少させる見込み。プリウス問題の影響はまだ試算していない。
 横山氏は記者会見で「システムの設定によってブレーキが一瞬利かない時間が生じ、運転者が違和感を感じている」と指摘。ドライバーの「感覚の問題」であり、ブレーキをやや強めに踏めば問題はないという。
 トヨタや国交省に寄せられたプリウスに関する苦情の合計は、4日までに延べ130件を超えた。米国やカナダの運輸安全当局にも多くの苦情が来ている。
 トヨタ側の説明によると、国内ではこうした苦情に対し、販売店が部品交換などで個別に対応してきた。プリウスと似たブレーキシステムを採用している「SAI(サイ)」「レクサスHS250h」なども、不具合がないか点検している。
 福島瑞穂消費者行政担当相は4日、トヨタ自動車の高田充常務役員と消費者庁で会談し、苦情の原因調査を求めた。消費者相は会談後、記者団に対し「国土交通省と連携して対応を考えたい」と述べた。

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2010年2月4日のニュース