ユーリ阿久井 桑原戦は「技術面の勝負になる」 鋭さ増したパンチに大橋会長「勇利アルバチャコフのよう」
【WBA世界フライ級タイトルマッチ 王者 ユーリ阿久井政悟《12回戦》同級3位 桑原拓 (2024年5月6日 東京ドーム)】
プロボクシングWBA世界フライ王者ユーリ阿久井政悟(28=倉敷守安)が18日、都内の帝拳ジムで練習を公開。5月6日に東京ドームで開催される同級3位・桑原拓(29=大橋)との初防衛戦へ成長した技術面を見せつける。
持ち前のパワーに加わった技術で「スピードスター」桑原を迎え撃つ。プロ初の再戦に臨む王者ユーリだが「やりにくさは別にない。いつも通りやる」と平常心を強調。「順調にきている。このままいけばベストにもっていける」と公開したミット、サンドバッグ打ちでは持ち前の強打を披露。時折、笑顔を見せるなど状態の良さを伺わせた。
ユーリは日本同級王者だった21年7月の同級タイトルマッチで桑原に10回TKO勝ち。世界戦の舞台で雪辱を期す桑原は先月の会見で「パワー対スピードの構図になる」と試合展開を分析した。これに対しユーリは「ぶっちゃけこっちはパワーじゃないんで。そういう構図はどうかなあ」と苦笑し「相手もテクニックがあるので技術面の勝負になる。どちらがペースを取るか」と武器のパワーに技術も備わったと強調した。
同年代の選手として桑原の試合は常にチェックしていたという。「前回(21年)やったときはスピードがあったが、そこにパワー加わった印象。そこは警戒したい」と話した一方で「対策というより自分のボクシングを磨き上げることをしてきた。自信?いつもありますよ」と初防衛戦にも気負いはない様子だった。
視察した大橋会長もユーリの成長具合に舌を巻いた。「前回(21年)とは別人のイメージ。荒いイメージしかなかったが印象が大分違う。テクニックも相当なものがあるしパンチもシャープ。世界王者になって相当自信がついたのではないか」と険しい表情。「シャープな右は勇利アルバチャコフかと思った」と感嘆しきりで、90年代にWBC世界フライ級王座を9度防衛した旧ソ連出身の“本家”を引き合いに出した。
34年ぶりの東京ドームボクシング興行。大舞台でも楽しめることを明かしたユーリは「圧倒したいのが一番。相手がいることだが、どうコントロールするか。チャンピオンとして初めて挑む試合。しっかり相手を迎え撃って挑戦者を退けたい」と圧勝で4大世界戦の先陣を飾る覚悟を示した。
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