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7年前から始まった2人の物語の完結…天心VS武尊 最後に勝ち名乗りを受けるのはどちらに

[ 2022年6月19日 07:00 ]

THE MATCH 2022   那須川天心ー武尊 ( 2022年6月19日    東京ドーム )

前日計量をパスしてフェイスオフする那須川(左)と武尊(撮影・島崎忠彦)
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 7年間ファンが待ち望んだ“世紀の一戦”の決着の時を迎える。RISE世界フェザー級王者・那須川天心(TARGET/Cygames)とK―1史上初の3階級王者で現スーパー・フェザー級王者・武尊(SAGAMI―ONO KREST)のゴングが19日に鳴る。

 7年前、那須川が武尊の名前を出したのが全ての始まりだった。15年8月の「BLADE FC JAPAN CUP 2015 ―55kgトーナメント」を全試合KO勝利で優勝した那須川は試合後のリング上で「55キロでやりたい選手が1人います。K―1の武尊選手ですが、かかってこいやって感じです。全試合KOなので僕の方が上だと思っています」と対戦アピールした。さらに同年11月のK―1 WORLD GP ―55kg王座初防衛に成功した武尊。その試合後、花道を引き上げる際に観客席にいた那須川が「大みそかやりましょう!」と武尊に対戦をアピールした。

 しかしその時は両者が交わることはなかった。17年大みそかのRIZINで那須川は試合後にファンへ「皆さん誰と見たいですか?」と問うと会場の多くのファンから武尊の名前を叫んだ。その歓声を聞いた那須川は「皆さんの歓声の声が答えだと思います。やりましょう!」と呼びかけた。18年のK―1大阪大会で皇治に勝利した後に武尊はリング上でファンが期待しているカードについて「実現するのは難しいことなんですよ」と話しながらも「時期はわからないですけど僕は必ず実現させようと思っています」と力強くファンに誓った。

 19年には「RISE WORLD SERIES 2019 ―58kgトーナメント」で優勝した那須川がリング上で武尊やK―1陣営に向けて「皆さんの声に答えるのが選手たちだと思いませんか。強いもの同士を集めて戦わせるのが本当の興行じゃないですか。僕は逃げも隠れもしないです。SNSで書き込むぐらいなら正式の話をください。俺は待ってます!」とメッセージを送った。

 格闘技ファンはドリームカードである2人の対戦を熱望し、期待が高まるもなかなか両者の対戦は実現せず両者の元には誹謗中傷のコメントが届くこともあった。

 しかし急転したのは20年大みそかの「RIZIN.26」。今大会に出場した那須川の試合を武尊がリングサイドで観戦。武尊は大会終了後に「格闘技界がもっと大きくなっていく試合にしないといけない」と話した上で両者の試合を「中立なリングをつくってやりたい」と話していた。

 21年3月のK―1日本武道館大会で那須川がリングサイドから武尊の試合を観戦。武尊はレオナ・ペタスからKO勝利を飾り、試合後のリング上で「最高の舞台で最高の試合をやりたいと思っている。天心選手、よろしくお願いします」と那須川へ言葉を伝えた。

 21年4月に那須川がボクシング転向を発表。両者に残された時間は残りわずかとなった。そして同年の12月24日に両者の対戦が電撃発表されてファンは歓喜した。

 キックボクシングラストマッチとなる那須川は「こうなる“運命”だったのかなと思います。自分の中でこれをやらないと終われないよねというのが腑に落ちました。“運命”はあるんだなと思いました。運命に動かされてるんだなと思いました」と話し、「キックボクシング人生でやってきたことを全て出し切ってしっかり勝ちたいと思います。僕の最後の試合。人生最後の日。しっかりやってやります」と“神童”は全てを出し切って無敗のままボクシングの道へ進むことを狙う。

 対して武尊も「僕の今までの人生で積み上げてきたものを全てぶつけて絶対に勝ちます。最高の試合にします」と決戦へ意気込み、「この試合に判定はいらないと思うのでKOでどっちが倒れてどっちかが立っている状態じゃないとこの勝敗ははっきり決められないと思うので倒して勝ちます。今まで培ってきたものを全部出して全て報われる試合にしたいと思います」とKO決着を誓った。

 7年間のストーリーの完結となる試合後に勝ち名乗りを受けるのはどちらに。そしてどんなリング上の風景が待っているのか。

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