“ポリスボクサー”杉田ダイスケ 4・12プロデビュー「ベルト巻きたい」
異色のボクサーがプロデビューする。4月12日に東京・後楽園ホールでの6回戦でプロ初戦を迎える“ポリスボクサー”杉田ダイスケ(29=ワタナベ)が6日、東京・五反田の同ジムで会見し、意気込みを語った。
警視庁玉川署地域課で交番に勤務する現職の警察官。東農大時代は3階級を制覇した元世界王者・井岡一翔と同期で、大学日本一にもなった実力を持つ。後楽園ホールでプロボクサーのセカンドキャリアとして警察官を推奨する活動を知り、大学卒業後は警察官の道に進んだ。
警察学校を卒業した12年からボクシングを再開。仕事と両立しながら全日本社会人選手権で優勝するなどアマチュアとして活躍してきたが、アマ110勝を区切りにプロ転向を決意した。プライベートでは2児の父。3歳の長男に「勇気」、2月に誕生した次男には「丈」と名付けるほどボクシング愛は強い。プロ転向にはボクシングへの“恩返し”の思いもある。
渡辺均会長は自身が旧国鉄職員のままプロ15戦した経験があり「情熱は抑えられないからね。本来なら警察官としての仕事に専念すべきなんだろうけど、あえてプロ転向を応援することにした。できれば、日本チャンピオンとか夢を持って両立してほしい」と期待した。
デビュー戦の相手はジュン・ブラゾ(フィリピン)。過去に東洋太平洋ランカーだったこともある実力者とのマッチメイクは期待の表れでもある。
24時間勤務の日もあり、仕事の両立は簡単ではない。それでも短期集中型の練習、そして名門ワタナベジムジムで強い選手と拳を交えることで腕を磨いてきた。29歳でのプロ転向に不安や重圧はない。「仕事との両立を体現することで警察官を目指すボクサーを増やしたい。世界は難しくても日本王者とか…アマはメダルだけでベルトはなかったので、ぜひベルトを巻きたいですね」。副業は禁止されているため、ファイトマネーは受け取らないが、将来のタイトルへ獲得に燃えていた。
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