伊藤雅雪 “世界前哨戦”でKO勝ち「相手もタフだったけど僕が下手でした」
ボクシングのWBO世界スーパーフェザー級1位でWBOアジア・パシフィック同級王者の伊藤雅雪(27=伴流)が“世界前哨戦”をKO勝利で飾った。3日、東京・後楽園ホールで行われたライト級ノンタイトル10回戦でフィリピン・スーパーフェザー級10位のベルゲル・プトン(28=フィリピン)に9回1分56秒TKO勝ち。戦績を25戦22勝(12KO)1敗1分けとした。
伊藤はバックステップにブロックとディフェンスに注意しつつ左を上下に散らし、カウンターの右で相手の腰を落とさせる順調な立ち上がり。2回には左ボディーストレートでダウンを奪った。しかし、その後は右ストレートを再三ヒットさせながら、IBF世界スーパーバンタム級王者・岩佐亮佑(28=セレス)のスパーリングパートナーを務めたプトンを攻めきれず、手数を伸ばせなかった。7回に左右ボディーから右を引っかけてスリップ気味のダウンを奪うと、9回には右2発からラッシュをかけてプトンが3度目のダウン。レフェリーストップを呼び込んだ。
昨年9月以来半年ぶりの試合だった伊藤は「相手もタフだったけど僕が下手でした」と苦笑い。左アッパーも多用するなど1、2発目はよく当たったが、3発目以降が打てず「もう少し行きたかった。正直、打ち疲れがあった」と反省し、「今は小手先でやっている部分がある。抜けた存在の世界王者になりたい。もう少し圧倒的に強くなりたい」とレベルアップの必要性を口にした。
昨年12月には元日本スーパーフェザー級王者・尾川堅一(帝拳)が米ラスベガスでIBF王座を獲得した試合を現地視察。「自分と照らし合わせて、いい指標になった」と手応えをつかんだという。WBOスーパーフェザー級王者のワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)は1階級上のライト級でWBA王者ホルヘ・リナレス(ベネズエラ、帝拳)へ挑戦する交渉が進んでおり、ランキング1位の伊藤が王座決定戦に出場できる可能性は高い。「すぐにではないけど、確実に世界挑戦の機会は来ると思っている。この階級は激戦区なので、チャンスが来たら絶対に逃さないようにしたい」と意気込んだ。
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