高橋が歩むVロード 人生初ベルトの次の舞台は世界ランク入りだ!
加茂市出身のプロボクサーで、14年全日本バンタム級新人王の高橋竜平(28=横浜光)が人生初のベルトを獲得した。昨年12月、敵地タイで5回TKO勝ちしてIBF(国際ボクシング連盟)パンパシフィック・スーパーバンタム級王座(日本非公認)を獲得。次戦は3月2日に東京・後楽園ホールでノンタイトル戦を行うが、6月にはタイで世界ランカーを相手に王座の初防衛戦を予定している。
IBFの世界王者と同じ赤いデザインのベルト。新人王で受け取ったのはトロフィーだったから、プロ5年で手に入れた王者の証は貴重なはずだ。だが、日本非公認の地域王座とあって大きく報じられることはなく、高橋も「特に何も変わらない。いつもと一緒」。ベルトを持っての撮影を終えると普段通りジムワークに励んだ。
何度もつまずいては乗り越えてきた。プロデビュー戦は1回1分36秒TKO負け。「パンチが見えなかった。浮かれてしまう悪い癖が出た。コンクリートに殴られたようで“これがプロか”と」。10カ月後の2戦目も引き分けながら好試合で手応えをつかむと、スーパーフライ級からバンタム級へ転向。減量苦から解放され、スピードと運動量を武器に新人王へ駆け上がった。
その後も試行錯誤は続いた。16年3月にオーストラリアでWBAの地域王座に挑んで判定負け。昨年8月にも判定負けし、日本ランキングから落ちた。得意のアウトボクシングだけでなく打ち合いにも手を出し、中途半端な戦いや過信につながっていた。「ボクサーとして絶対にやっちゃいけない」計量失敗を犯したこともあった。
だが、昨年12月のIBFパンパシフィック・スーパーバンタム級王座決定戦では地元のタイーチャイ(タイ)を被弾覚悟の接近戦で圧倒し、レフェリーストップ勝ちした。試合決定後に自らフィリピンの名門ALAジムへ足を運んで2週間の合宿を実施。試合を見据えた練習を学ぶなど、向上心を持って積み上げてきたものが、ついに結果として表れた。
3月の次戦は小山哲也(36=横田スポーツ、7勝2KO9敗)との8回戦。だが、6月には再びタイで保持する王座の初防衛戦が決まっており、相手は世界ランカーが予定されている。「6月の試合は世界ランク入りが懸かるので、3月はてこずっていられない。先を見すぎて足をすくわれないようにしたいけど、打ち合いもできて“高橋は強い”と思わせる試合をしたい」。サクセス・ストーリーは始まったばかり。最終目標はもっと先にある。(中出 健太郎)
◆高橋 竜平(たかはし・りょうへい)1990年2月1日、加茂市生まれの28歳。加茂中で卓球部、加茂暁星高でサッカー部入部も「すぐに辞めた」。中3で漫画「はじめの一歩」を読み、「軍手にガムテープを巻いて」ボクシングを始め、加茂市勤労者体育センターで開かれていた教室で本格的に競技を始める。高校は県大会レベル、東洋大では全日本選手権出場。12年12月、プロデビュー。14年12月、全日本バンタム級新人王。プロ通算17戦13勝(5KO)3敗1分け。身長1メートル64の右ボクサー。家族は両親と兄1人、弟2人。
2018年2月9日のニュース
-
高橋が歩むVロード 人生初ベルトの次の舞台は世界ランク入りだ!
[ 2018年2月9日 16:25 ] 格闘技
-
WBO世界フライ級王者・木村翔が殊勲賞も…ベルト間違え&派手な装飾で異彩
[ 2018年2月9日 15:32 ] 格闘技
-
岩佐、ご褒美フェラーリで表彰式乗りつけた「諦めずに頑張ったで賞」
[ 2018年2月9日 15:05 ] 格闘技
-
元最強王者ロイ・ジョーンズ 引退試合を勝利で飾る「別れを告げる時が来た」
[ 2018年2月9日 14:49 ] 格闘技
-
村田諒太が初MVP 恩師命日に…「見守ってくれると思う」
[ 2018年2月9日 14:44 ] 格闘技
-
テレンス・クロフォード NBA球宴エキジビションに出場決定 バスケの腕前は?
[ 2018年2月9日 14:00 ] 格闘技
-
元フライ級王者の鄒市明 現役続行を希望 左目失明の危機も「決してあきらめない」
[ 2018年2月9日 13:11 ] 格闘技
-
バドゥ・ジャック 次戦は5・19に決定 王者スティーブンソンと激突
[ 2018年2月9日 12:18 ] 格闘技
-
パッキャオ 11月にロマチェンコ戦か ローチ・トレーナー「スーパーライト級で」
[ 2018年2月9日 11:35 ] 格闘技
-
山中 奪冠鍵握る外国製グローブ手応え「普段と違うのは新鮮」
[ 2018年2月9日 05:30 ] 格闘技