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高橋が歩むVロード 人生初ベルトの次の舞台は世界ランク入りだ!

[ 2018年2月9日 16:25 ]

ファイティングポーズをとる高橋竜平
Photo By スポニチ

 加茂市出身のプロボクサーで、14年全日本バンタム級新人王の高橋竜平(28=横浜光)が人生初のベルトを獲得した。昨年12月、敵地タイで5回TKO勝ちしてIBF(国際ボクシング連盟)パンパシフィック・スーパーバンタム級王座(日本非公認)を獲得。次戦は3月2日に東京・後楽園ホールでノンタイトル戦を行うが、6月にはタイで世界ランカーを相手に王座の初防衛戦を予定している。

IBFの世界王者と同じ赤いデザインのベルト。新人王で受け取ったのはトロフィーだったから、プロ5年で手に入れた王者の証は貴重なはずだ。だが、日本非公認の地域王座とあって大きく報じられることはなく、高橋も「特に何も変わらない。いつもと一緒」。ベルトを持っての撮影を終えると普段通りジムワークに励んだ。

 何度もつまずいては乗り越えてきた。プロデビュー戦は1回1分36秒TKO負け。「パンチが見えなかった。浮かれてしまう悪い癖が出た。コンクリートに殴られたようで“これがプロか”と」。10カ月後の2戦目も引き分けながら好試合で手応えをつかむと、スーパーフライ級からバンタム級へ転向。減量苦から解放され、スピードと運動量を武器に新人王へ駆け上がった。

 その後も試行錯誤は続いた。16年3月にオーストラリアでWBAの地域王座に挑んで判定負け。昨年8月にも判定負けし、日本ランキングから落ちた。得意のアウトボクシングだけでなく打ち合いにも手を出し、中途半端な戦いや過信につながっていた。「ボクサーとして絶対にやっちゃいけない」計量失敗を犯したこともあった。

 だが、昨年12月のIBFパンパシフィック・スーパーバンタム級王座決定戦では地元のタイーチャイ(タイ)を被弾覚悟の接近戦で圧倒し、レフェリーストップ勝ちした。試合決定後に自らフィリピンの名門ALAジムへ足を運んで2週間の合宿を実施。試合を見据えた練習を学ぶなど、向上心を持って積み上げてきたものが、ついに結果として表れた。

 3月の次戦は小山哲也(36=横田スポーツ、7勝2KO9敗)との8回戦。だが、6月には再びタイで保持する王座の初防衛戦が決まっており、相手は世界ランカーが予定されている。「6月の試合は世界ランク入りが懸かるので、3月はてこずっていられない。先を見すぎて足をすくわれないようにしたいけど、打ち合いもできて“高橋は強い”と思わせる試合をしたい」。サクセス・ストーリーは始まったばかり。最終目標はもっと先にある。(中出 健太郎)

 ◆高橋 竜平(たかはし・りょうへい)1990年2月1日、加茂市生まれの28歳。加茂中で卓球部、加茂暁星高でサッカー部入部も「すぐに辞めた」。中3で漫画「はじめの一歩」を読み、「軍手にガムテープを巻いて」ボクシングを始め、加茂市勤労者体育センターで開かれていた教室で本格的に競技を始める。高校は県大会レベル、東洋大では全日本選手権出場。12年12月、プロデビュー。14年12月、全日本バンタム級新人王。プロ通算17戦13勝(5KO)3敗1分け。身長1メートル64の右ボクサー。家族は両親と兄1人、弟2人。

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2018年2月9日のニュース