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王者・小原佳太 約2年半ぶりの日本人対決にも「自分の距離で戦って、焦らず削っていきたい」

[ 2017年12月13日 16:27 ]

WBOアジア・パシフィック・ウエルター級王者の小原佳太(左)と挑戦者の藤中周作
Photo By スポニチ

 ボクシングのWBOアジア・パシフィック・ウエルター級タイトルマッチ12回戦(14日、東京・後楽園ホール)の前日計量が13日、東京都文京区の日本ボクシングコミッション(JBC)で行われ、王者・小原佳太(31=三迫)はリミットを200グラム下回る66・4キロで一発パス。挑戦者の同級5位・藤中周作(31=金子)は1回目で500グラムオーバーの67・1キロだったが、再計量ではリミットいっぱいの66・6キロでクリアした。

 昨年9月にスーパーライト級で世界初挑戦に失敗した小原は、今年8月の再起2戦目でWBOアジア・パシフィック王座を獲得。今回は約2年半ぶりの日本人対決で「1週間前まではいつもより緊張していた」という。藤中については「ファイトスタイルもきれいなボクサーじゃなく、ちょっとやりづらい。フック系(のパンチ)で頭が下がるので当てづらいのと相打ちが怖い」と分析。それでも「先を見たらやりづらい方がいいと思う。自分の距離で戦って、焦らず削っていきたい」と話した。

 WBOの地域タイトルを獲得しているにも関わらず、世界ランキングには入っていない。「この試合で世界ランクに入れてもらいたいけど、根本的には世界ランカーと戦わないといけないと思っている。ウエルター級は競争が激しいと理解しているし、そういうところを目指しているのでフラストレーションはない」と冷静だ。今後は世界ランカーとの対戦以外にも「派手なところとやりたい」と、日本王者や東洋太平洋王者との対決も希望。世界再挑戦にあたってはスーパーライト級もにらんでいるが、「スーパーライトでやるなら、そろそろ試合をしないと落ちない。ウエルターの減量は楽だけど、スーパーライトはぎりぎりアウトぐらい。調整期間が必要になる」と説明した。

 15年10月以来2度目のWBOアジア・パシフィック王座挑戦となる藤中は「ウエルター級に見合ったパワーをつけようと」筋量を増やしたほか、「最後まで頑張って練習した」結果、減量に入るのが遅れたという。この日朝の時点でリミットを3キロオーバーしており、走って体重を落とそうにも体力がなく、半身浴でもなかなか落ちなかったため「絶望的になった」という。それでもトレーナーを家に呼び、「めちゃくちゃ厚着をして」走り、最初の計量オーバー後も必死に体を動かした結果、猶予時間ぎりぎりの再計量で、パンツを脱いでリミットを何とかクリア。再計量後に水分を補給し「病人みたい」と自嘲気味に笑いながらも、「練習してきたことを出すだけ。この数カ月、全てボクシングの生活を送ってきた。いつもと違った自分を見せられればと、自分自身に期待している」と話した。

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2017年12月13日のニュース