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村田 デビューから10連勝!「KO負けゼロ男」を4回TKO

[ 2016年5月15日 05:30 ]

3回、フェリペ・サントス・ペドロソ(左)にパンチを浴びせる村田諒太

73・4キロ契約10回戦 ○村田諒太 4回2分50秒TKO ●フェリペ・サントス・ペドロソ

(5月14日 香港コンベンション&エキシビション・センター)
 ロンドン五輪ミドル級金メダリストの村田が2戦連続KO勝ちでプロデビューから10連勝を飾った。初登場の香港のリングでブラジル人選手をダウン寸前まで追い込み、レフェリーストップで4回2分50秒TKO勝ち。7月23日に予定されている自身2度目の米ラスベガスでの試合へ弾みをつけるとともに、WBO同級王者ビリー・ジョー・サンダース(英国)を標的に、早ければ11月にも実現する世界初挑戦へアピールした。

 ガードを固めて激しくプレッシャーをかけ、鋭いジャブだけでのけぞらせる。村田は「だいぶスタイルができてきた」と手応えを語った。右の強打は反対方向へ逃げる相手を仕留めきれなかったが、4回に左から攻め、右を放つとペドロソは大きく後退。すかさず3発打ち込み、格下とはいえプロ14戦で一度もKO負けがなかったブラジル人をレフェリーストップに追い込んだ。

 今回は自己最多計113ラウンドのスパーリング。3月の米ロサンゼルスでの集中スパーから帰国後は体重90キロ以上の巨漢と拳を交えた。「デカい相手でも、70キロ台の僕のプレスを受け止められない」と自信を深めていた。スパーでは右を嫌がる相手にアッパーを試したが、この日も初回に右アッパーがさく裂。「練習以上のことは試合で出ない」と改めて感じた。その練習を通じて課題と痛感したのが左フックだ。「僕の右はこれから研究されると思う。左でダメージを与えるパンチが必要。帰ったらすぐに取りかかりたい」と話した。

 7月にはプロ最短の間隔で、ラスベガスの“聖地”MGMグランドガーデンのリングに上がる。「MGMはベガスの中心地。そこでできるうれしさはある」。米トップランク社のボブ・アラムCEOから「NEXT、LAS VEGAS」と声をかけられた村田は「“拳はノーダメージ”と言っておきました」と笑顔を見せ、アラム氏も「素晴らしい試合だった。これで7月23日は確定だ」とうなずいていた。

 ミドル級はWBA・IBF王者ゴロフキン(カザフスタン)とWBC王者アルバレス(メキシコ)の統一戦へと突き進んでおり、帝拳ジムの本田明彦会長は「(WBO王者)サンダースしかチャンスはない」とした上で「(7月の)次は11月。タイトルでも何でも、でっかいのをやりたい。アラムも11月か次で勝負と言ってる」と明かした。「今年は勝負の年」と公言する村田も「攻撃のバリエーションを増やして来るべき試合に備えたい」と表情を引き締めた。

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