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村田 復活の右で2回KO!さあ年内世界!デビュー9連勝で弾み

[ 2016年1月31日 05:30 ]

2回、ベガに勝利しガッツポーズの村田諒太

73・4キロ契約 WBCミドル級5位 村田諒太○―●WBCスペイン語圏ミドル級王者 ガストン・アレハンドロ・ベガ

(1月30日 中国・上海オリエンタルスポーツセンター)
 復活の右で2試合ぶりのKO勝利を収めた。ロンドン五輪ミドル級金メダリストでWBC同級5位の村田諒太(30=帝拳)は、プロ9戦目でWBCスペイン語圏同級王者ガストン・アレハンドロ・ベガ(32=アルゼンチン)に2回2分23秒KO勝ち。右ストレートで初回と2回にダウンを奪い、デビューから9連勝とした。5月頃を予定している次戦では世界上位ランカーと対戦する可能性もあり、年内にも計画する世界初挑戦へ最高の「リスタート」となった。

 この一言で十分だ。

 「やっと右に自信を取り戻した。僕の右が当たれば誰でも倒れるんだという気持ちになった」

 初回、村田はいきなり大きな右を振るった。警戒するベガの側頭部へ右を打ち下ろし、1度目のダウン。その後はやや大振りになり、パンチももらったが、2回に左ジャブと左ボディーで攻勢を強めると再び右を側頭部へヒット。強烈なダウンにレフェリーは試合を止め、ベガは起き上がろうとして腰砕けになった。

 「1回倒れてからジャブを忘れて、打ちにいってパンチをもらったところもあったので、そこは反省。でも、ダメージは残っていたようなので倒しにいきました」

 昨年11月のプロ8戦目は消化不良の判定勝ち。14年12月の6戦目から3戦中2試合が判定勝ちで「パンチにけっこう自信をなくしているところがあった」。プロ転向後、コンビネーションに取り組むなどボクシングの幅を広げようとした努力が裏目に出た形で「金メダリストという立場を守りたい気持ちがどこかにあったのかも」という。金メダルから4年、五輪イヤーに決意したのは「一からのスタート」。左足に重心を乗せて打つことで「右足がガクガクしなくなってパワーが戻ってきた」。打たれるリスクを覚悟で相手を倒しきる原点に立ち返り、本来の強さを取り戻した。

 帝拳ジムの本田明彦会長も「きょうの試合は100点。右ストレートは世界に通用すると思っている」と絶賛。「このスタイル一本でいく」と年内の世界挑戦をあらためて宣言した。村田は3月上旬から米ロサンゼルスで1カ月のスパーリング合宿を予定。世界王者や世界ランカーを相手に腕を磨き、来る日に備える。「70点ぐらいですかね。きょうはスタートでしかない。世界王者へ向けてのスタートだったと捉えてます」。プロボクサー・村田の第2章が、上海で始まった。

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