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井岡 返り討ちTKOでV2 前回“不満”判定勝ちの相手にボディー3連打

[ 2016年1月1日 05:30 ]

9回、井岡の右がレベコ(左)の顔面にヒット

プロボクシングWBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦 王者・井岡一翔 TKO11回1分57秒 フアンカルロス・レベコ

(12月31日 エディオンアリーナ大阪)
 東京、愛知、大阪の3都市で世界戦5試合が行われ、WBA世界フライ級王者・井岡一翔(26=井岡)は前王者のフアンカルロス・レベコ(32=アルゼンチン)を11回TKOで下し、2度目の防衛に成功した。タイトルを奪取した昨年4月以来の一戦は、試合前日の30日の調印式でいざこざが起きたが、リング上ですっきり清算。16年は強豪ぞろいの他団体王者との統一戦に打って出る構えだ。

 もはや恒例となったリング上でのマイクパフォーマンス。前王者を返り討ちにした井岡はどや顔で「ごきげんだぜっ!」と叫んだ。ダンスボーカルユニット「DA PUMP」のDAICHI(27)とは「日々、お互いに刺激を受ける間柄」。仲間の曲名を使って、宣言通りのKO勝利を喜んだ。

 序盤から圧倒した。積極的に距離を詰め、肩や肘をぶつけ合いながらコンビネーションを叩き込んだ。ボディーを執ように攻めて主導権を握り、4回は連打で追い込んだ。相手の大振りはボディーワークで空転させた。度々カウンターもヒット。中盤までに十分なリードを奪ったと判断したセコンドの父・一法会長や叔父・弘樹氏からは「無理するな」の指示が出た。それでも「今度はKOで終わらせたかった」と仕留めに行った。11回、レバーへの左2連発から右ボディーアッパー。腹部への3連打で前王者の心をへし折った。

 前日計量ではレベコ陣営からグローブに関する抗議で心理戦を仕掛けられた。その場では平常心を強調したが、本心は違った。「みんながストレスを感じたと思う。それを晴らせるのは僕だけ。気合が入った」。最後のダメ押しは“チーム井岡”を代表し、怒りを込めたブローだった。

 15年4月に世界最速のプロ18戦目で3階級制覇を達成。競技を始めた動機だった“悲願”を成就したものの、2―0の判定には満足できなかった。「あの結果があったから強くなれた。今の自分と比べれば、あの時の自分は物足りない」。フライ級で6戦目。コンディションづくりの新たなヒントも得た。男子テニスのジョコビッチの著書などをヒントに、炭水化物断ちを11月から開始。過去最高という手応えでリングに上がった。

 3階級制覇を達成した15年を快勝で締めくくり、確かな足場を築いた。16年は新たな目標に向かう。他団体王者との統一戦だ。「真のチャンピオンを目指す」。高い志を胸に抱き、歩み続ける。 (原口 公博)

 ▽井岡―レベコVTR ボディーを中心に攻撃した井岡がレベコにTKO勝ちした。4回、左ボディーで攻勢に出ると、右ストレートも効果的に決めた。9回はロープ際に追い込んで攻め立てた。11回、ボディーへの連打が効き、試合を決めた。防御でも、一定の距離を保つことで致命的なパンチをもらわなかった。中盤は挑戦者も反撃に出たが、及ばなかった。

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