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村田、米デビュー戦は世界戦テスト!大物プロモーター“圧勝指令”

[ 2015年11月6日 05:30 ]

シャドーボクシングで大量の汗を流す村田

73・4キロ契約 村田諒太≪10回戦≫ガナー・ジャクソン

(11月7日 米ネバタ州ラスベガス・トーマス&マックセンター)
 ボクシングのWBC・IBF世界ミドル級5位の村田諒太(29=帝拳)が4日、米デビュー戦に向けて開催地のラスベガスで最終調整に入った。村田が契約する米プロモート大手トップランク社のボブ・アラムCEO(83)が急きょ練習を視察。数々のレジェンドを生み出してきた大物プロモーターは今回の米デビュー戦を世界戦に向けたテストと位置づけ、世界挑戦にふさわしい実力を示すよう厳命した。

 お抱え選手が出場する世界戦の公開練習には姿を見せても、ノンタイトル戦に臨むボクサーを視察するのは珍しい。アラム氏はジムに入ってくるなり、リング上で汗を流す村田に歩み寄り握手。マカオでの試合以来、約1年9カ月ぶりに再会し、20分ほど練習を見届けると、帝拳ジムの本田明彦会長にメッセージを残して車に乗り込んだ。

 「来年、世界戦ができるかは7日の試合に懸かっている。(目安の)10戦目で世界戦をやりたいのなら、それだけの試合をしなさい」。本田会長が「練習見に来るなんて珍しい」と口にするほど期待の表れとも言える異例の訪問で、重鎮が口にした“圧勝指令”。層の厚いミドル級でチャンスをつかむには、テレビ局やマッチメーカー、目の肥えたファンへのアピールが重要になってくる。米デビュー戦の重圧は膨らむばかりだが、村田も「僕が戦う場所はここになる」と好機を逃すつもりはない。

 メーンとセミファイナルの世界戦は米ケーブルテレビ局「HBO」で放送されるが、村田の試合映像が世界中に配信されることも決まった。興行によっては世界戦でも配信されない例もあるだけに、注目度の高さがうかがえる。5日に行われる公式会見にも世界戦の出場選手の前にスケジュールが組まれ、まずはマイクパフォーマンスで関係者の目を引きつける。

 セミファイナルで登場するWBO世界フェザー級王者ロマチェンコ(ウクライナ)は12年ロンドン五輪ライト級金メダリスト。同じ「12年組」で一歩先行くゴールドメダリストの主戦場に立つ村田は「しっかりいいスタートを切りたい」とボクシングの聖地に爪痕を残す覚悟をにじませた。

 【ボブ・アラム氏という男】

 ☆弁護士 ハーバード大出身の弁護士でムハマド・アリの法律問題を担当したことからボクシングに携わり、プロモーター業に乗り出す。

 ☆レジェンドずらり ヘビー級王者フォアマンや5階級制覇レナード、史上初の6階級制覇王者デラホーヤもキャリア中盤までプロモート。無名だったフィリピン人ボクサーのパッキャオをラスベガスのメーンイベンターになるまで勝ち進ませた。

 ☆ドリームマッチ 08年に当時まで4階級制覇王者だったパッキャオがデラホーヤと激突したウエルター級12回戦をプロモート。下馬評で圧倒的不利だったパッキャオが8回終了TKOで勝ち。世界が注目した名勝負で、パッキャオ人気が爆発した。

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