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右も神!!山中圧倒V8 変幻ジャブと神の左で2戦ぶりKO

[ 2015年4月17日 05:30 ]

KOで勝利した山中はガッツポーズ

WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦 ◯王者・山中慎介(帝拳) 7回36秒KO 同級7位・ディエゴ・サンティリャン(アルゼンチン)●

(4月16日 大阪府立体育会館)
 WBC世界バンタム級王者の山中慎介(32=帝拳)は7回36秒KO勝ちで、無敗の同級7位、ディエゴ・サンティリャン(27=アルゼンチン)を圧倒した。「神の左」と呼ばれる左ストレートで2度のダウンを奪い、2戦ぶりのKO勝利で日本ジム所属選手歴代5位タイの8度目の防衛に成功。他団体の王者とのビッグマッチの期待が膨らんだ。

 おじけづいたのは幽霊の方だった。アルゼンチンで無名の存在から突如国内王者となって「幽霊」の愛称をもらったサンティリャン。身長が10センチ低く、前に出て懐に入ろうとしたが、山中はそれを許さなかった。

 序盤から丁寧に右ジャブを突いた。左ストレートを警戒する相手に面白いように当てると、次第に左も当たりだした。3回には鼻から出血させて血まみれにした。勝負を決めたのはやはり左だった。6回、得意のワンツーで最初のダウンを奪った。連続KOが5でストップした昨年10月のスリヤン戦ではダウンを奪った直後にコーナーに戻らずカウントが止まってKOを逃した。その反省を生かして「“気をつけ”してました」。さらに7回。右を突いてから左ストレートを打ち込み尻もちをつかせると、座り込んだ相手は戦意喪失。「感触はありました。タイミングがよかったので、立てへんやろうと。リードも出せて、作戦通りにできました」。試合前に「神の手はマラドーナだけだ」と言い放った幽霊を「神の左」で葬った。

 8度目の防衛成功だ。これだけ長く王座に君臨し続けられるのも、練習以外でも「いいものはどんどん取り入れたい」貪欲さがあるから。3月からは知人の勧めで1日1食玄米を食べている。ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富な栄養食。「正直に言えば白米の方がおいしいけれど、栄養もあるし、腸の調子がいい。自分には合っている」。約10万円の高級炊飯器も購入。体調維持への投資は惜しまない。

 「帝拳ジムの大場(政夫)さん、浜田(剛史)さん、西岡(利晃)さんは防衛回数は少ないけれど、記憶に残る王者だった。追い越せたとは思っていない。もっともっと評価されたい」

 熱望する他団体の王者との統一戦。WBO王者の亀田和毅は来月9日にWBA王者マクドネル(英国)と対戦する。山中への期待も高まるばかり。夢のビッグマッチ実現もあとはタイミングの問題だけだ。

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