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辰吉Jr寿以輝、ジョー魂でKOデビュー「めっちゃうれしい」

[ 2015年4月17日 05:30 ]

1R、岩谷(左)に強烈な右を放つ辰吉寿以輝

スーパーバンタム級4回戦 ◯辰吉寿以輝 2回2分45秒KO 岩谷忠男●

(4月16日 大阪府立体育会館)
 元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎(44)の次男・寿以輝(じゅいき、18=大阪帝拳)がスーパーバンタム級4回戦でKOデビューを飾った。

 勝負強いDNAは受け継がれていた。寿以輝が父と同じ2回KOでプロボクサー人生の第一歩を踏み出した。右目の周りを赤く腫らしながらリング上で「めっちゃうれしい。凄く楽しかった」と18歳らしく喜んだ。

 極度に緊張していた。花道を進む際は「足がガクガク」で、序盤は足が動かなかった。それでも1回終盤に左フックでダウンを奪った。2回も左ジャブで2度のダウンを奪い、腰振りダンスのパフォーマンスを披露。緊張でスタミナは切れていたが、相手の振り回す左右にひるまず左フックから右ストレート。レフェリーが3度目のダウンと見なして試合を止めた。

 「きょうのところは大喜びします。内容は全然駄目。(試合のリングの感触は)凄く良かった」。そう振り返った寿以輝だが、父は手放しで喜んだ。会場で勝利を見届けると「親ばかと言われたらそれまでのことやけど、親ばかと言われても大したものは大したもの」と話し、厳しい表情から父の顔に戻った。

 辰吉家には丈一郎が獲得したWBCベルトが3本飾ってあった。それを見て育った寿以輝は小学校入学前から「世界チャンピオンになる」が口癖。父、兄と大阪府守口市から自転車で大阪市内のジムに通った。その後ボクシングから離れたためアマ経験は皆無だったが昨年、18歳になって職業としてプロボクサーになることを選択。それは自然な流れだった。

 控室前で父子は対面した。2ショットを収めようと報道陣が無数のフラッシュをたいた。強烈な光で周囲の景色がコマ送りのように見える状態だった。そこで父は言った。「これがプロや」。短い言葉に思いを込めた。

 次戦は夏の予定。大阪帝拳の吉井寛会長は「ええどつき合いを見せてくれた。技術はまだまだやけど攻撃的に出たのはいい。オヤジに似てるところはある。磨けばもっと光る」と合格点をつけた。人気者の父に近づく戦いが、本格化する。

 ▼辰吉 寿以輝(たつよし・じゅいき)1996年(平8)8月3日生まれ、大阪府守口市出身の18歳。小さい頃から父・丈一郎の手ほどきでボクシングに親しむ。それ以外のスポーツ経験はなし。守口二中卒業後はボクシングから離れていたが、父の後を追って昨年11月にプロテストに挑戦した。好きな選手は辰吉丈一郎とマニー・パッキャオ(フィリピン)。家族は父、母、兄。1メートル67。右ボクサーファイター。

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