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プロ2戦目に弾み!“アマ7冠”井上がスパーで名城を圧倒

[ 2012年12月13日 06:00 ]

スパーリングで名城(左)を圧倒する井上

 高校生で史上初めてアマ7冠を達成し、10月のデビュー戦でKO勝ちしたプロボクシングの日本ライトフライ級6位・井上尚弥(19=大橋)が次戦に金色のマウスピースで臨むことが判明した。井上は12日、横浜市内のジムで6回のスパーリングを行い、元WBA世界スーパーフライ級王者・名城信男(31=六島)を圧倒。来月5日のプロ2戦目に弾みをつけた。

 スパーリングを終えた2人は対照的だった。名城は額に大粒の汗を浮かべ、肩を揺らしながら壁にもたれて座り込む。井上は疲れも見せず、サンドバッグを打ち込んだ。元世界王者に鮮やかなカウンターやアッパーを叩き込み、ダウン寸前に追い込む見せ場もつくった井上は「手応えバッチリです。(元王者を圧倒し)自信になります」と充実の表情を浮かべた。

 アマ7冠を獲得した井上の“最強伝説”を聞きつけた名城からのオファーで実現したスパーリング。9月に僅差の判定で世界挑戦に失敗し、再起を目指して実戦練習を開始したばかりとはいえ、名城には世界を獲った自負がある。鼻息荒く関西から上京したが「技術の完成度、スピード、どれをとってもトップレベルのボクサー。悔しい。笑ってしまうぐらい強かった」と完敗を認めた。10日にも、同門の元WBA世界ミニマム級王者・八重樫東(29)とスパーリングを行い、先輩を圧倒したルーキーがまたも能力の高さを示した。

 プロ2戦目に弾みをつけた井上のもとに“秘密兵器”が届いた。八重樫のマウスピース製作を手掛ける六島歯科(神戸市)の六島聡一副医院長(42)が3日間かけて完成させた金色のマウスピースだ。色には「こだわりはない」と話す井上だが、この日、日本漢字能力検定協会が発表した「今年の漢字」は「金(きん)」。やはりこの19歳、何か“持っている”。

 六島氏は「かみ合わせに合ったマウスピースの方がパンチを受けた時、脳への衝撃が軽減できる」と説明。破格の攻撃力に防御力が増す金のマウスピース。ロンドン五輪ボクシング男子ミドル級で金メダルを獲得した村田諒太(26=東洋大職)が「化け物」と評した男に死角は見当たらない。

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