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井岡 勇気の2階級制覇!台風被災地・奈良で誓う

[ 2012年10月17日 06:00 ]

天川中の生徒と一人ずつ握手する井岡一翔(右)

 国内で初めてWBCとWBAの世界ミニマム級王座を統一した井岡一翔(23=井岡)が16日、昨秋の台風12号で被災した奈良県吉野郡の天川中を訪問、全校生徒13人に夢を説き、年内にも狙う2階級制覇へ決意を新たにした。WBC王座に続き、WBA王座を返上しており、現在は1階級重いライトフライ級でWBA2位、WBC1位にランク入り。自らの夢に向かい着々と準備を進めている。

 生徒たちの真剣なまなざしに刺激され、井岡の口調が熱気を帯びた。天川中の全校生徒13人を前にした講演。「僕はずばぬけてスポーツができたわけじゃない。でもボクシングが好きで毎日、積み重ねてきました。諦めずに続ければ夢はかないます」。2階級制覇王者の井岡弘樹(43)を叔父に持ち“サラブレッド”と呼ばれる自分も努力なしで栄冠を勝ち取れなかったと力説した。

 訪れた奈良県吉野郡天川村は昨秋の台風12号で被災。大規模な山腹崩壊が発生し、路肩決壊も起きた。中学校も被害を受け、全校生徒は現在も天川小の仮設校舎で学んでいる。同村のラブコールに応え、井岡は15日から2泊3日の体力強化合宿を実施。同時に「心の復興」を手助けするため、交流の機会を持った。だが、被害を受けても明るさを失わない子供たちを目の当たりにし、逆に元気をもらった格好だ。「口だけにならないよう結果を出さないと。見る人が感動するような内容の濃い試合を見せたい」。年内に予定する次戦での2階級制覇へ決意を新たにした。

 体力強化も抜かりはない。修験道の開祖、役行者(えんのぎょうじゃ)が開いたという大峰山を眼前に望む豊かな自然環境で、朝晩約20キロのロードワークをこなす。「きれいな環境で本当にいいところ。基礎体力、特に下半身に効きます」とパンパンに張った太腿をさすった。6月の王座統一直後に返上したWBC王座に続き、9月にはWBA王座も返上。最新のランキングは1階級重いライトフライ級でWBC1位、WBA2位に入っている。「常に目標を持つことが大事。僕には、まだまだ、やりたいことがある」。世界ベルトを初めて手にした昨年2月から公言している4階級制覇の夢実現へ。井岡は着実に歩んでいる。

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