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後輩の前でV2だ!山中 金メダリスト・村田に招待明言

[ 2012年8月24日 06:00 ]

ダブル世界タイトルマッチを控え会見を行った帝拳ジム・山中(左)と五十嵐

WBC世界バンタム級タイトルマッチ 王者・山中慎介(29=帝拳)―同級7位トマス・ロハス(32=メキシコ)

(11月3日 仙台市※会場未定)
 プロボクシングの帝拳ジムは23日、都内で会見し、王者・山中慎介(29)と王者・五十嵐俊幸(28)が11月3日に仙台市で、ダブル世界戦を行うと発表した。震災後、東北地方での世界戦は初めてで、山中は7位ロハスと2度目の、五十嵐は9位ナルバエスを迎えて初の防衛戦を行う。山中は南京都高の後輩で、ロンドン五輪ボクシング金メダルの村田諒太(26=東洋大職)を試合会場に招待する意向を明言。金メダル級のファイトで被災者を元気づけることを誓った。

 2度目の防衛戦に臨む王者の視線の先にあるもの。それはロハスではなく、金メダリストの姿だった。山中は村田諒太の話題になると、待ってましたとばかりに表情を崩し「村田さんに来ていただけると光栄です。(試合では)文句を言われないように頑張ります。席は5000円ぐらいのを用意しておきます」と、高校の後輩を試合会場に招くことを宣言した。

 南京都高時代、自身が卒業するタイミングで村田が入学。同じ時期に拳をまじえることはなかったが、昨年には自身のWBC王座獲得と村田の世界選手権、銀メダル獲得を記念したパーティーを合同で行うなど交流は深い。先に世界の頂点を極めたとはいえ知名度では後輩が上。「頑張らないといけない気持ちにさせてくれた」とライバル心をムキ出しにした。

 震災後初めて東北で行われる世界戦は大きな意味を持つ。山中は震災後、東日本ボクシング協会から表彰された賞金10万円でホームセンターにあるスコップ53本を被災地に届けた。今年5月には仙台を訪れ、がれき撤去のボランティア活動も行った。「ボクサー山中」の姿をじかに披露できる舞台が整い、「自分が一生懸命頑張って勇気を与えるのが一番」と武者震いした。

 対戦相手のロハスは10年に河野公平(ワタナベ)を下して空位のWBC世界スーパーフライ級王座を獲得すると、初防衛戦で、名城信男(六島)にも勝利した日本人キラー。昨年8月に王座から陥落したが、以降は1階級上のバンタム級で3連勝中で、楽な相手ではない。それでも「左は当たると思う。終盤にKOを狙いたい」と山中は自信をみせた。「神の左」を持つ男が金メダリストを納得させるファイトで、被災者に、勇気、感動をプレゼントする。

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