意地の殴り合い!富樫逆転のTKO初防衛
世界ボクシング評議会(WBC)女子ダブルタイトルマッチ各10回戦は8日、東京・後楽園ホールで行われ、ライトフライ級暫定チャンピオンの富樫直美(ワタナベ)が、挑戦者の菊地奈々子(白井・具志堅スポーツ)を10回21秒、TKOで退けて初防衛に成功した。菊地はWBCミニフライ級に続く2階級制覇を逃した。
女子の日本選手同士の世界戦は、昨年11月に日本ボクシングコミッション(JBC)が女子を公認して以降初めて。
富樫は1回にダウンを喫した後、ボディーブローなどで形勢を逆転。菊地の左目周辺がパンチで腫れ上がり、10回にレフェリーが試合を止めた。小関は序盤から主導権を握って快勝した。
≪大橋会長「歴史的な1日だ」≫互いに左目の上を大きく腫らした富樫と菊地は、意地を張り合うように殴り合った。女子公認後、初の日本選手同士の世界戦。1回にダウンを喫した富樫が猛反撃し、逆転勝利につなげた。
33歳の助産師ボクサーは「(タイトルを)取ってからいろいろな重圧がのしかかって、緊張の毎日だった。これで胸を張って暫定チャンピオンと言える」と喜びに声を張り上げた。
1回、菊地の右フックに尻もちをついた。ボクシングを始めて初のダウン。「何があったか分からなかった」。それでもダメージを引きずらず、2回からペース配分を無視したような打ち合いに出た。ボディーへの強打で流れをつかむ。10回、相手の左目がふさがり、TKO勝ちとなった。
女子公認の推進役となった東日本ボクシング協会の大橋秀行会長(元世界ミニマム王者)が「素晴らしい試合。歴史的な1日」と絶賛した一戦。富樫は「たくさんの応援のおかげで頑張れた」と充実感に浸った。
◆富樫 直美(とがし・なおみ)国内女子公認直前の2007年11月プロデビュー。公認後の戦績は4戦全勝(3KO)。右ストレートが武器の右ボクサーファイター。33歳。東京都出身。
▼ボクシング暫定王者 チャンピオンが負傷など正当な理由で防衛戦ができない場合、暫定的に王者を立てることができる。正規王者の復帰後は王座統一戦の実施が原則。WBC女子ライトフライ級はタイ人の正規王者が負傷で防衛戦を行えないため、7月に富樫が金珍(韓国)との暫定王座決定戦を制してタイトルを獲得した。
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