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持ち味出せず…池原涙の判定負け

[ 2008年1月11日 06:00 ]

1回、シドレンコ(右)のパンチを浴びる池原

 WBA世界バンタム級王座に挑んだ池原信遂(31=大阪帝拳)は、王者ウラジミール・シドレンコ(31=ウクライナ)に0―3の判定で完敗した。

 大粒の涙をこぼしながら池原は振り返った。「自分の持てる力は全部出しました」。辰吉丈一郎にあこがれ、高校卒業後に富山から大阪に出て13年。31歳5カ月での世界初挑戦は実らなかった。

 不利の予想の中、2回に王者の右で腰を落とすと、攻め続けるはずの作戦に迷いが生じた。「出るのか、距離を取ってボクシングをするのか…」。中途半端なまま大差の判定で敗れ「自分の持ち味を王者に殺された」と悔しさをにじませた。

 03年6月に初黒星を喫し、吉井寛会長からジムへの出入り禁止を通達されて引退を考えた。「家族や会長、応援してくれる人たちの思いと一緒に戦っているから、心は簡単に折れない」。周囲の気持ちを支えに「最後の試合」と臨んだ世界初挑戦。11日、昨年7月に死去した吉井清前会長の墓前で敗戦を報告してから、進退の決断を下す。

 ▼元世界バンタム級王者辰吉丈一郎 (池原は)チャンスが2度とないと思っている人間のスタイルじゃない。相手を殴り飛ばしてでもベルトを獲るつもりじゃないと。

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2008年1月11日のニュース