野村謙二郎氏　無駄な動きがない広島・菊池の守備　4回ピンチでさすがの素手キャッチ&正確送球

セ・リーグ   広島2―１巨人 （ 2023年8月30日    京セラD ）

野村謙二郎氏
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　【野村謙二郎　視点】広島・菊池のプレーが素晴らしい。4回2死満塁から菅野の打球は投手頭上へのゴロ。大瀬良のグラブに当たって、打球速度も、打球方向も変わった。菊池にとっては右側へ動き出したところで逆の左側へ切り返し、しかもダッシュして前へ出ないといけない。難しい動きから素手で捕って正確に一塁へ送球した。

　一つでも動きに無駄があれば同点になり、なお2死満塁で1番に回るところだった。打撃で少し調子を落としていても、守備への意識は常にぶれない。直前の1死二、三塁からの二ゴロではカウント3―1まで内野は1点覚悟の定位置で、フルカウントになったところで前進守備に変更した。ベンチの指示も当たって結果的に無失点。チームとして本当に球際に強くなった。

　大瀬良はまだまだストレスのたまる投球だと思う。4回の菅野に対しても外角一辺倒で苦しんだ。内角を攻めれば高い確率で抑えられることが分かっていてもできない。投手は勝つことが何よりの薬だ。4月以来の連勝。勝つことで調子を取り戻してほしい。（スポニチ本紙評論家）