阪神・伊藤将 プロ初完封で復帰戦飾った 巨人戦3カード連続勝ち越しは11年ぶり

[ 2022年5月23日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4-0巨人 ( 2022年5月22日    甲子園 )

<神・巨>プロ初完封勝利を飾り、ナインと喜びを分かち合う伊藤将(左から3人目)(撮影・坂田 高浩)
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 おかえり、マサシ!阪神・伊藤将司投手(26)が22日、巨人戦で今季初勝利をプロ初完封で飾った。完封目前の9回2死から同点打を浴びた4月6日DeNA戦以来、46日ぶりの1軍戦で見事にその雪辱を果たした。チームは日曜日5連勝となり、巨人相手に11年ぶりとなる3カード連続で勝ち越し。借金12の最下位ながら史上最大級の巻き返しを期し、24日からの交流戦に臨む。 

 帰ってきたサウスポーが、いきなりの大仕事をやってのけた。交流戦前最後の一戦で痛快すぎる巨人封じ。「ただいま。(今の気持ちは?)しびれました」。お立ち台では、前日の長坂の決めゼリフをまねて大観衆を沸かせる。伊藤将は、ようやくつかんだ今季初勝利の味をかみしめた。

 「満員の中でできたことと、あの中でヒーローインタビューができたのですごく気持ちよかったです」

 1軍登板46日ぶりのブランクを全く感じさせない、まさに左腕の持ち味が凝縮された投球だった。3者凡退は2回と7回の2イニングだけ。8安打を浴びながらも、4回無死一塁で岡本和、6回1死一塁で吉川をそれぞれ併殺打に仕留めるなど、のらりくらりと凡打の山を築き上げた。最後の山場となった9回2死一、三塁は中田を143キロ直球で中飛。無四球で111球を投げ抜いたその表情は、安どに満ちあふれていた。

 「意識はありました。前回失敗しているので2度は失敗できない。その中で達成することができてよかった」

 完封目前に脳裏をよぎった、あの光景――。同じく完封まであと1死、あと1ストライクまでこぎつけながら、牧に同点打を浴びたのは4月6日DeNA戦だった。

 同戦での今季1勝目を逃したとはいえ、調子は上向きつつあった。それが、今度は新型コロナに水を差された。「いい感じできていたのに…。(隔離期間中は)暇すぎて。早く1軍に戻りたくて仕方なかった」。それでも、めいるわけにはいかない。1日で腹筋500回をこなすなど隔離期間中もできる練習に取り組み続けた。横浜高の先輩にあたる中日・柳からの寿司の差し入れも復帰への活力に変えた。全てがこの日の快投につながった。

 湯浅、岩崎と勝ちパターンが連投中の状況で果たした、先発としての最高の役割。矢野監督からも「優(岩崎)も使う予定はなかったんで。最高の形で新たなスタートを切ってくれた」と称賛された。

 借金12の現状は、打ち破るためにある。「1カ月も休んじゃったので。その分チームに貢献したいと思います」。帰還した背番号27が、反攻への勢いを加速させる。(阪井 日向)

 《カード別で唯一勝ち越し》阪神は巨人との3連戦に連勝で2勝1敗の勝ち越し。巨人戦の4月15~17日(○○●)、4月29日~5月1日(○○○)に続く3カード連続勝ち越しは、11年5~7月にかけての3カード以来11年ぶり。これで今季は7勝5敗。対戦カード別で唯一の勝ち越しチームだ。

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