関本賢太郎氏 好機でだんまりの中軸、簡単にやられる救援陣 阪神は優勝目指すチームの負け方ではない

[ 2021年8月26日 07:00 ]

セ・リーグ   阪神2-10DeNA ( 2021年8月25日    京セラD )

<神・D(20)>3回1死二塁、見逃し三振に倒れて呆然の大山。捕手伊藤光(撮影・北條 貴史)
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 【関本賢太郎 視点】0―5の3回、阪神は北條の四球と近本、中野の連打で2得点して、なお無死二塁。しかしサンズが見逃し三振、大山も見逃し三振、そして佐藤輝が二ゴロで何もできなかった。先発の伊藤将に代打・北條の采配が奏功しただけに、少なくとももう1点は返しておきたかった。

 9回にサンズが左翼線二塁打を放ったが、クリーンアップがこの1本だけでは元気がなさすぎる。やっぱり4番の大山がポイントになるが、“前後を打つ3人がそろって沈黙”は避けなければいけない。直後の4回表は2番手の斎藤が簡単に2死を取ったあとに3失点。さあ、こっから行くぞのムードが立ち消えたどころか、勝敗はここで決してしまった。

 3回に一気に追いつくのは無理だろう。しかし、1点ずつ詰め寄っていけば、プレッシャーがかかった相手が勝手にこけてくれることがある。救援投手も1人1イニングずつ抑えていけば、終盤には必ずもつれた展開に持ち込める。残念ながらこの日は簡単にやられすぎで、内容的には決して優勝を目指しているチームの負け方とはいえなかった。

 優勝するチームは、年に何度かは「不思議な勝ち」というものがある。先発投手が早い回に崩れた試合を、一つでも二つでもひっくり返すことで勢いは加速していく。それは引き分けでも、いい。その不思議な勝ちは、リードされた展開から生じるもの。序盤でビハインドを負ったゲームこそ、チャンスだと思えばいい。(スポーツニッポン評論家)

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