阪神 今季初のカード勝ち越しへ 青柳&秋山の「ミスターゼロ」コンビに託す

[ 2020年6月30日 05:30 ]

阪神の青柳
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 阪神は、30日から苦手とするナゴヤドームで中日3連戦を戦う。開幕3カード全て負け越し球団ワーストに並ぶ2勝7敗と出遅れたチームの流れを変えるべく、期待がかかるのは初戦に先発する青柳晃洋(26)と2戦目が濃厚な秋山拓巳(29)の両右腕。ともに今季初登板は無失点だった「ミスターゼロ」コンビが、連日の快投で猛虎に勢いをもたらす。

 開幕から大きくつまづいたチームにあって、その存在感は際立つ。不振の打線、精彩を欠く救援陣と明るい材料が乏しい中で好調をキープする2人に希望を見いだしたい。30日に先発する青柳が、静かに燃える闘志を言葉に込めた。

 「前回(登板)が良かったので、前回同様の投球ができるように頑張りたい。カード頭を任されている以上、長いイニングを投げなければいけない責任感があります」

 今季初登板となった23日のヤクルト戦では6回0/3を1安打無失点。相手打線を寄せ付けず初勝利を挙げ、チームの連敗を3で止めた。6連戦のスタートとなる火曜日での登板に、チームとして絶対に連敗は許されないという2つの重責。「中継ぎ(の負担)がどうとかではなく、自分が投げる試合は少しでも長く投げたいし全部勝ちたい思いが強い」と強い自覚をにじませ、重圧をも力に変える。

 チームにとって鬼門とされるナゴヤドームだが、青柳自身は昨年4月29日にプロ初完封した縁起のいい場所。それでも「いい印象は特にないです」と首を振り、むしろ警戒を強める。「本当にいい打者が多く一発もあるチーム。一発のある選手の前にいかにランナーをためないことも大切になってくると思うので、丁寧に投げていきたい」。気負わず、引かず、地に足を付けて腕を振っていく。

 2戦目でバトンを受けるのは、今季初の中5日で起用される秋山だ。この日はナゴヤ球場でブルペン入りし背番号と同じ46球を投げ、冷静に戦況をシミュレートした。

 「まずは初回の入り、先頭打者への入りを大事にし、ゲームの流れで必ず踏ん張り所はあると思うので、そこをしっかり踏ん張っていけばおのずと長いイニングを投げられる」

 初先発した25日ヤクルト戦は青柳と同じく6回0/3を投げ得点を与えず、2月から続く連続無失点を34イニングまで伸ばした。17年には7、8月で6勝(0敗)を挙げた夏男だけにさらなる上昇にも期待が持てる。無双し続ける29歳は「対中日というより、自分のボールをしっかり投げていきたい」とうなずいた。

 3カード連続負け越しているだけに、今カードは最低でも2勝1敗。いまだ失点を知らない2人の「ミスターゼロ」に苦境打破のミッションは託された。(遠藤 礼)

 ○…阪神はナゴヤドームの中日戦で通算276試合98勝172敗6分けの勝率・363と大きく負け越しており、97年の開場から昨季まで23シーズンで勝ち越したのは05年(6勝5敗)、07年(7勝5敗)、08年(7勝4敗1分け)、13年(6勝5敗)、17年(6勝5敗)の5度だけ。昨季は最初の3連戦を●○○で勝ち越したが、直後に5連敗。4勝7敗1分けで負け越している。

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