阪神の開幕投手は西勇 最初は無観客も「ファンが来てくださるまで強い阪神でいたい」

[ 2020年5月24日 05:31 ]

集合練習に参加した西勇(球団提供)
Photo By 提供写真

 阪神は23日、甲子園球場に投手と野手が一堂に会した「集合練習」がスタートした。開幕投手に内定している西勇輝投手(29)が練習後にオンライン取材に応じ、先陣のマウンドに向けて強い決意を口にした。

 実戦感覚は? コンディションは? そんな周囲の心配を察したかのようだった。最短開幕なら準備期間は1カ月もない。経験豊富な西勇とはいえ苦戦が予想されるなか、サラリと言い切った。

 「投手コーチと話し合って、イニング数だったり、球数などを逆算して動いています。その中で“開幕には普通に間に合うかな”と思っています」

 その難しさは開幕までの時間だけでは測れない。自宅待機、自主練習、分離練習の2カ月弱は打者と対戦できなかった上に、今後実施されるであろう実戦には他の投手も登板するため実戦感覚を養うのは困難。それでも「足りない部分はピッチングで補えばいい」と言う姿が頼もしい。

 「最初は無観客が続くと思う。いつ観客を入れて試合が出来るか分からないけど、ファンが来てくださるまで強い阪神でいたい。良い順位でいたい。それまでは画面越しになりますけど、応援してほしいと思います」

 無論、「間に合わせる」だけじゃない。自身が先陣を切ることで勢いに乗ったチームを、生で見てもらえる日までけん引する覚悟だ。「今までやってきた笑顔だったり矢野監督が掲げる“楽しむ”という姿は画面越しでも伝わると思う」と、スローガンの体現と結果を両立させる。

 同じくこの日オンライン取材に応じた矢野監督から「相手がどこであろうとウチは“西で開幕”と決めていますし、姿勢や実績、全てを含めて“西しかいない”というモノを見せてくれているので」と絶大な信頼をあらためて寄せられた。

 「誰も経験したことがない状況なので何が起こるか分からないけど、(周りを)安心させられるようなマウンドにしたい。簡単に言えば“自信を持ってマウンドに上がる”」

 誰もが待ち焦がれるシーズンの開幕。その初日のマウンドで躍動し、虎党に、野球ファンに、そして日本に勇気を与えてみせる。(巻木 周平)

続きを表示

2020年5月24日のニュース