【06年センバツ第78回大会】逆境を力に新潟県勢初の春1勝

[ 2020年3月26日 08:30 ]

センバツあの日の記憶~高校野球ファンに贈る~

初戦を突破し、アルプスへ歓喜のダッシュをする日本文理ナイン
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 新たな歴史を刻んだ瞬間だった。日本文理(新潟)が高崎商(群馬)に4―3で逆転勝ち。47都道府県で唯一センバツ勝利がなかった新潟県へ初の「春1勝」をもたらした。

 逆境を力に変えた。雪と凍結でグラウンドは使えず、小さな室内練習場は投手専用で守備練習は内野も外野もできない。だからこそ打って勝とうと、冬場はビニールハウスを利用して1日600スイングを超えるティー打撃を敢行。出場32校トップのチーム打率・403をつくり上げセンバツに乗り込んだ。

 高崎商の左腕・石川を攻略するために超攻撃型オーダーを組み「もうイチかバチか。オーダーは前日に決めた」と大井道夫監督。3回までに3点先行されたがしぶとかった。3回に5番・金丸の左前2点打などで1点差とすると、5回には再び金丸が同点中前打。そして7回、3番の長谷川主将が右前へ決勝打して石川を攻略した。

 58年に新潟商が初出場してから48年。ようやく厚い壁を破った。

 ☆第78回大会(06年) 神宮大会王者で優勝候補筆頭だった駒大苫小牧が不祥事で辞退、夏春連覇は大会前に消えた。2回戦の早実―関西は9回に関西が3点差を追いつき延長15回引き分け。早実・斎藤は15回231球で完投した。翌日の再試合は早実が1点を追う9回に逆転し8強入りを決めた。決勝は前評判が高かった横浜と初出場の清峰が対戦。序盤から主導権を握った横浜が6回に一挙9点を奪うなど決勝史上最多得点、最多得点差となる21―0で8年ぶり3度目の頂点に立った。

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2020年3月26日のニュース