日本ハム・近藤“生涯ファイターズ”宣言!3年契約満了後も「僕はいたい」

[ 2020年1月3日 06:00 ]

東京五輪金メダル、そして日本ハム優勝の決意を胸に刀を手に取る近藤(撮影・高橋 茂夫)
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 日本ハムの近藤健介外野手(26)がスポニチ本紙の新春単独インタビューに応じた。今年の目標には東京五輪での侍ジャパン入りと、五輪で金メダルを獲得して日本ハム入団から3年間ともにプレーした侍ジャパン・稲葉篤紀監督(47)を胴上げすることを挙げた。昨年12月に3年契約を結んだ巧打者は生涯ファイターズを宣言し、23年開場予定の新球場で主力としてプレーする夢を明かした。(聞き手・東尾 洋樹)

 ――新年おめでとうございます。昨秋プレミア12では優勝に貢献しました。東京五輪が開催される今年の目標は。
 「まずは代表に入ること。そして、五輪で優勝できたら最高ですね。プレミア12では稲葉さんを胴上げできてよかったですけど、めちゃくちゃ重かった(笑い)。五輪でも胴上げしたい」

 ――東京での五輪開催が決まったのがプロ2年目の13年。
 「まずプロ野球界で名前を残していかないと、としか思っていなかった。身近なことには考えていなかった」

 ――五輪に向けたメンバー争いもある。
 「(プレミア12には選出されなかったソフトバンクの)柳田さんだったり、いい選手が山ほどいる。競争に勝てるように頑張りたい」

 ――稲葉監督と再び同じチームになった。
 「一緒にやっていたのが一番大きい。稲葉監督に選んでもらって、より一層恩返ししたい気持ちが湧いてきた。侍ジャパンの監督は凄い重圧だと思う。当然重圧は感じていると思うけど、そういう顔は裏でも見せない。堂々とされているので、選手もやりやすい」

 ――プレミア12では巨人・坂本に代打を送る采配もあった。
 「チームでは絶対に代打を出されない選手ばかりで難しい決断だったと思うけど、1次ラウンド1戦目(のベネズエラ戦)でああいう決断をしたのは選手へのメッセージになった。やらなきゃいけないという気持ちになったし、結束は高まった」

 ――過去の侍ジャパンで印象的な試合は。
 「イチローさんが09年WBC決勝の韓国戦で決勝適時打を打った場面。当時は中学生でテレビで見ていた」
 ――ここで打たないと負けるという、重圧のかかる打席もある。
 「1打席の重圧も全然違う。プレミア12の決勝も独特な雰囲気があった。試合が終わると結構ぐったりしていた」

 ――日本ハムでも優勝が期待されている。
 「(新球場が北広島市に23年開場予定で)札幌ドームであと3年ですか。札幌にも恩返しをしないといけないし、北海道に優勝を届けたい」

 ――自身は順調なら来オフに国内FA権を獲得するが、取得年をまたいで3年契約を結んだ。
 「FAで(他球団に)出る考えもないし、新球場でやりたい気持ちが強い。すんなりと決断できた。獲ってもらった球団で、ここまで育ててもらったので」

 ――生涯ファイターズ?
 「今後のことは分からないけど、僕はいたいですね。契約が終わってまた契約してもらえるように、この3年は大事になる」

 ――3年契約を終えた翌年には新球場が開場する。
 「建設の話が出た時は(自身がプレーするイメージは)湧かなかったけど、今回こういう契約をしてある程度現実になりそうだという思いはある。23年は30歳。脂が乗っていい感じでプレーしたい」

 ――チームは右の大砲・ビヤヌエバ(前巨人)らを補強した。
 「いいチームになると思う。昨季は本塁打がなく(パ・リーグ最少93本塁打)、得点が入らなかったのも事実。いいふうに回ってくれればいい」

 ――昨季は正三塁手不在で三塁も守ったが、今季は外野に専念できるのはメリット。
 「それはあると思う。でも、定位置は競争で勝ち取るというのは栗山監督も思っていることだと思うし、そこは実績、年数は関係ない。いっぱい打った人が出られる世界。肝に銘じてやりたい」

 ――昨年12月の契約更改では打率3割5分以上で首位打者を狙うと宣言した。
 「それくらい打たないとパ・リーグではなかなか獲れないし、そういう中で結果を出し続けたい」

 ――昨季は打率・302で2年連続で打率3割を超えたが、18年の打率・323は下回った。
 「原因を探しながらオフを過ごしている。頭の中でイメージはできている。実際に球を打ってみないと分からない部分があるけど、ある程度は自分の中で(原因は)何個かある。引き出しを開けるのか、また新たなことを試すのか、オフしかできないことなので」

 ――今年の一字は「新」と書いた。
 「新しい近藤を探している。まだ見つかっていない。新しい自分を探しながら、シーズンが始まったら新しい近藤になっていれば、という意味を込めて。変わらないといけない」

 【編集後記】フォームのバランスなど繊細な部分まで気を配る打撃同様、何にでもとことんこだわる一面を見た。インタビュー後、今年の抱負を込めた漢字一字を毛筆でお願いした。すると、小学校時代に毛筆五段を獲得した近藤は、おもむろに半紙を折り曲げ始めた。「中心線を入れていいですか?これがバランスを取るのに大事ですから」。久しぶりに持つ筆に悪戦苦闘しながらも、指に墨を付けながら「この感じ、懐かしいな」と筆を走らせ続けた。
 2度、3度と「ダメ!」「ダメ!」と細部までこだわって何度も書き直した。「よしっ!」と声を上げた5度目。力強く「新」と書き上げ、満足そうな表情を浮かべた。こちらが用意した筆を持った瞬間に安物と見抜いた眼力もさすがでした。(東尾 洋樹)

 ◆近藤 健介(こんどう・けんすけ)1993年(平5)8月9日生まれ、千葉県出身の26歳。横浜高3年時に春夏連続で甲子園出場(夏1勝)し、高校日本代表入り。11年ドラフト4位で捕手として日本ハム入団。15年に主にDHで初めて規定打席に達し打率.326を記録した。17年は腰痛離脱まで57試合で打率.413。18年は打率.323でDH部門ベストナイン。外野手に登録変更した昨季は最高出塁率(.422)の初タイトルを獲った。1メートル73、83キロ。右投げ左打ち。

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