天理・河西 大会記録の1試合3本塁打 サヨナラ負けも9回には同点アーチ

[ 2019年11月18日 15:30 ]

明治神宮大会・高校の部 準決勝   天理9―10中京大中京 ( 2019年11月18日    神宮 )

<中京大中京・天理>9回2死 3本目となる同点ソロを放つ天理・河西(撮影・久冨木 修) 
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 天理・河西陽路内野手(2年)が大会記録の1試合3本塁打を記録した。

 2―1の2回無死、直球をバックスクリーンに叩き込むと、5―2の5回1死からは右翼席にソロ本塁打。1点を追う9回2死の場面では来秋ドラフト候補の中京大中京・高橋宏斗投手(2年)から右翼ポール際に起死回生の同点アーチを放った。「1本目のホームランが一番、気持ちよかった。2、3本目は変化球をうまく対応できた」。試合にはサヨナラ負けしたが、試合の主役は間違いなく河西だった。

 身上は「野球を楽しむ」こと。だからこそ打席で笑顔を絶やしたことはない。だが、1点を追う9回2死の場面は、さすがに笑えなかった。

 「心の中では“こんな場面は2度とない”と楽しんだけど、打つしかないので、必死で…」

 最速148キロ右腕の直球についていきながら、沈んできたツーシームを体の回転で捉えた。打球は大きな弧を描いて右翼ポール際へ。打った瞬間、右拳を天に突き上げ、同点を確信した。

 昨秋の近畿大会で背番号「3」を背負ったが、春夏はベンチを外れ、今年の秋季近畿大会では背番号「13」。準決勝・履正社(大阪)戦でサヨナラ安打を放つなど活躍し、神宮大会から1桁に戻ってきた。「自分たちの代で2桁は複雑な気持ちだった。神宮から、もらえて本当に嬉しかった」。喜びを確実に結果に代えた。頭囲はチームトップの60センチで仲間達からの愛称は親しみを込めて「顔デカ」。童顔も相まって、チームの癒やし系となっている。

 元近鉄、阪神で活躍した中村良二監督(51)は「河西は近畿大会からラッキーボーイ的な存在。こういう舞台で打つとは。2本目打った後に“3本目はないよな?”って聞いたら“ハイ”ってニコニコしてましたけど。大したものです」と賛辞を送った。1メートル75、85キロ。長距離砲が可能性を見せつけた。

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