“鬼軍曹”小笠原ヘッドに選手と同じ目線の武田、矢野両コーチ 初入閣の3人がもたらす改革に注目

[ 2019年11月7日 09:30 ]

フォトセッションでおどけた表情を見せる武田投手コーチ(右)につられて笑顔を見せる矢野外野守備兼打撃コーチ補佐(左)、栗山監督
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 今季5位に沈んだ日本ハム。今オフに小笠原道大ヘッド兼打撃コーチ、武田勝投手コーチ、矢野謙次外野守備コーチ兼打撃コーチ補佐が初入閣し、コーチ陣の顔ぶれも変わった。

 中日で2軍監督も務めた46歳の小笠原コーチは、沖縄・国頭での秋季キャンプ第2クールから全体練習で照明がともるほどの猛練習を課し、自身も身ぶり手ぶりを交えて熱血指導する「鬼軍曹」の言葉が似合うコーチだ。一方でより選手と年齢の近い41歳の武田、39歳の矢野両コーチは選手の兄貴分的存在。実際に「同じ立場で同じ悩みを抱えながら同じ方向性で解決していく、ちょっと年上のお兄さんになってあげたい」(武田コーチ)、「教えるというよりは選手と一緒になってつくりあげていく意識を持ってやっていきたい」(矢野コーチ)と指導方針は共通している。

 両コーチのテーマの1つにあるのが、旧来型の指導者のイメージを変えることだと思う。武田コーチは「今の野球界でも結果論だけの指導者もいると思う。そういう時代を変えて、僕がちょっとでも昔の指導者と違うなという環境づくりをしてあげたい。自分が選手の時に四球を出していたのに、指導者になると“何で四球を出したんだ”という指導者もいる。そういう指導者にはなりたくない」と力説する。矢野コーチは実際に沖縄・国頭での秋季キャンプ中の5日に盗塁王3度の西川に走塁指導を依頼。西川は「“頼む!俺、盗塁わかんねーんだ”って言われた」と矢野コーチから頼まれた際の同コーチとのやりとりを明かした。トップダウンではなく、選手と同じ目線まで落とし、わからないことなら素直に聞く。これこそが新時代の指導者像だと思う。

 この2人に加えて、小笠原コーチは自らが現役時代に猛烈な練習量をこなしてきたのは周囲も認めるところだ。巨人時代にチームメートだった大田は「小笠原さん自身がそうやってきた姿を見ているから納得がいく。(猛練習を課されても)手は抜けない。最高のお手本」とうなずく。初入閣した3コーチがもたらす改革に注目していきたい。(記者コラム・東尾 洋樹)

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