北別府さん 今もうなされる暗黒の2年間「アウトカウント一つ取ることがこんなにも苦しいものかと」

[ 2019年9月2日 16:00 ]

北別府学氏
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 広島ひと筋にエースとして通算213勝をマークした野球解説者の北別府学さん(62)が2日、自身のブログを更新。打ち込まれた投手のマウンドでの心境について赤裸々に告白した。

 8月29日の巨人戦(東京D)で3回途中10失点KOされた広島のエース大瀬良大地投手(28)の胸中を思い「今夜は眠れない事でしょう」と同日のブログに記していた北別府さん。

 同31日には「投手の気持ちは手に取るようにわかるので心情を考え、私まで心が疲弊してくるようですがみなさんから色々と投手陣のご心配を頂き感謝しています!」と鯉党の声に感謝しつつ「打ち込まれた投手はマウンドの上でどのような心境でしょうかという質問にお答えしようと思います」としていた。

 そして、この日のブログでは「今でもたまに夢にうなされる魔の暗黒の2年間もあります」と2年連続で規定投球回に達することができず“限界説”も囁かれた1989~1990年の2年間について自ら触れると「何をしても勝てなかったしあの時の苦しみ抜いた時の経験は、本一冊かける自信があります」と回想。

 「ですから、打つ手がないほどめった打ちにあった投手を見るのは本当に辛い」とし、「アウトカウント一つ取ることがこんなにも苦しいものかと平常心ではないという状況」「茫然自失」「ストライクが入らないのだから替えて欲しいに決まっています」とマウンドで孤独な戦いを続ける投手の気持ちを率直につづった。

 ポーカーフェースで知られた現役時代の北別府さんだが「そんな時はベンチの方をチラチラ見ます!」と意外な事実も。「ところがそんな事知ったこっちゃない、エースなら責任とれ、若手ならこれを乗り越えて育ってくれなどと言ったような理由から代えてもらえない時がある」とし、「様々なプレッシャーに打ち勝ち、そこからどん底まで落ちて這い上がるのもプロ」と結論づけた。

 なお、北別府さんはそんな暗黒の2年間が明けた1991年に11勝をマークしてセ・リーグの勝率1位投手となり、見事に復活。チームのリーグ優勝に貢献している。

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