巨人ドラ3大城 球団史上新人捕手初!劇打“サヨナラ慎ちゃん”超え大仕事

[ 2018年6月11日 05:30 ]

交流戦   巨人3―2西武 ( 2018年6月10日    東京D )

<巨・西>9回1死満塁、サヨナラ打を放った大城(中央)はチームメートから手荒い祝福を受ける(撮影・尾崎 有希)
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 巨人のドラフト3位・大城卓三捕手(25)が10日の西武戦で9回1死満塁から代打で出場し、右越えにプロ入り初のサヨナラ打を放った。新人捕手では球団史上初の快挙で、チームを今季初のサヨナラ勝ちに導いた。交流戦4カード目で初の勝ち越し。8日に転落したセ・リーグ最下位にもサヨナラし、5位に浮上した。勝負強いルーキーが、大仕事をやってのけた。

 目を開けられないほど水を浴びせられた。大城が目をこすると、歩み寄る阿部の笑顔が見えた。「最高でーす!」。お立ち台では決めゼリフを借りた。

 「阿部さんが送ってくださった。普段はないこと。何としても1点を取りたかった」

 9回無死一塁から阿部が今季初の犠打を決めた。1死満塁と好機を広げ、同じ捕手の小林に代わって代打で送り出された。増田の直球を捉え、右越えに運ぶ。「覚えていない。抜けろ!抜けろ!と思った」。野球人生初のサヨナラ打。高橋監督が「何とか1点」と打った勝負手を実らせ、58試合目で今季初のサヨナラ勝ちに導いた。

 試合前から「当たり日」の予感はあった。捕手陣が行った外野からの送球練習。自身の送球がややそれ、ワンバウンドで打撃練習の順番を待つ阿部の足に当たってしまった。周囲は「危ない!」と叫んだが、レガースの上からで大事には至らず。それでも大城はこわばった顔で「すみませんでした」と打撃ケージまで謝罪に走り、阿部は笑顔で応えた。

 入団前、25歳は「2000安打達成するような選手になりたい」と憧れの人物に阿部の名を挙げていた。先発マスクは11試合。左の代打としても期待され、打率・290、2本塁打。長打率は・452で、岡崎郁スカウト部長が入団前に「阿部のようなタイプ。(打撃フォームが)柔らかく、広角に長打が打てる」と評した長打力を存分に発揮している。

 「サヨナラ慎ちゃん」と呼ばれた阿部も打てなかったプロ1年目のサヨナラ打。チームを最下位から脱出させ、高橋監督も「勝負強い大城らしい、いい当たりだった」と称えた。「使ってくださった監督に何とか勝利を届けたかった。この勢いを忘れずにいきたい」と大城。若き力で「混セ」を抜け出す。 (神田 佑)

 ▼巨人・阿部(今季初犠打)勝つための作戦だから、決まってよかったです。

 《08年加治前以来》ルーキーの大城(巨)が代打サヨナラ安打。新人のサヨナラ安打は最近では昨年7月9日巨人戦で糸原(神)がマークしているが、巨人では08年6月6日ロッテ戦で加治前が本塁打で記録して以来10年ぶり9人目(11度目)。代打では大城が初めてになる。また、捕手登録の新人でも初めてで、球団歴代3位のサヨナラ安打13本の阿部でも入団1年目には記録できなかった。

 ◆大城 卓三(おおしろ・たくみ)1993年(平5)2月11日生まれ、沖縄県那覇市出身の25歳。小6から捕手を務め、東海大相模では3年春夏の甲子園に出場して夏は「4番・捕手」で準優勝。東海大4年春の全日本大学選手権に優勝、打率.533で首位打者&MVPに輝いた。NTT西日本では17年に侍ジャパン社会人代表に選出。同年ドラフト3位で入団。1メートル87、89キロ。右投げ左打ち。

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