NTT東日本・横山完封に広島スカウトニンマリ「ローテ入ってくる」

[ 2015年11月6日 08:35 ]

<日本通運・NTT東日本>完封勝利したNTT東日本・横山

スポニチ後援第41回社会人野球日本選手権第7日・2回戦 NTT東日本2―0日本通運

(11月4日 京セラドーム)
 あるぞ!開幕ローテーション入り。社会人野球の第41回日本選手権は5日、京セラドームで2回戦3試合があり、広島ドラフト2位のNTT東日本・横山弘樹投手(23)が8強進出に貢献した。最速145キロの直球と変化球を制球よく操り、日本通運に三塁を踏ませず2安打完封。即戦力の評価に違わぬ実力をあらためて見せつけた。

 最終回が唯一のピンチだった。先頭の木南に初めての四球。2死後、左打者の3番・浦部には厳しく内角を突き、142キロ直球を背中に当てた。完封目前で微妙に制球を乱し、初めての得点圏へ走者を進めても横山は動じない。続く関本を141キロの外角直球で二飛に仕留め、ナインと歓喜のハイタッチを交わした。

 「左打者も右も内角を突かないとやられる。死球は修正しないといけないけど、突けたのはよかった。最後は長打を打たれてはいけない場面。目いっぱいではなく、投げミスに気を付けました」

 クレバーな投手だ。テンポもいい。直球は最速145キロ。5種類の変化球すべてストライクを取れる強みもあり、3者連続三振を奪った2回はフォークで2人を空振りさせた。6回1死まで無安打。最終的に112球を数えても、67球で乗り切った7回までは完璧に近かった。

 魔球チェンジアップが快投の支え。「社会人野球に入って覚え、決め球として使えるようになりました」。大抵は球速130キロ台の球種を90~110キロ台に抑える。球速を殺し、かつ制球よく操る技術は特筆ものだ。光る緩急で打者を翻弄(ほんろう)した。

 ネット裏で見守った担当の尾形スカウトもニンマリだ。「だから即戦力と言ったでしょ。頭がいいし、きょうぐらい投げてくれれば、先発ローテーションに普通に入ってくると思う」。チェンジアップについても「無回転の魔球。プロでも武器になりそう」と太鼓判を押した。

 若獅子賞を獲得した昨夏の都市対抗野球大会・JR九州戦以来の完封。今秋は1回戦の和歌山箕島球友会戦でも6回を2安打零封しており、連続無失点を15イニングへ伸ばした。チームの8強進出の原動力となり、狙うは34年ぶりの頂点だ。

 「ドラフト後は皆、その話をしてこない。チームメートの気遣いがわかるのでありがたい。日本一になるために練習してきた。仲間を信じ、一戦一戦任された役割を全うしたいと思います」

 今は大会に集中。来季の開幕ローテーション入りが期待される右腕は、日本一を手土産にカープの一員となるつもりだ。(江尾 卓也)

 ◆横山 弘樹(よこやま・ひろき)1992年(平4)3月12日生まれ、宮崎県出身の23歳。赤江東中では「宮崎シニア」に所属。宮崎日大では甲子園出場はなし。桐蔭横浜大では4年時に全日本大学野球選手権と明治神宮大会に出場。NTT東日本では1年目の都市対抗、JR九州戦で完封するなど若獅子賞受賞。1メートル87、86キロ。右投げ左打ち。

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