中島を動かしたクレメンスの動く球…メジャー移籍の原点語る

[ 2013年1月25日 10:35 ]

インタビューに答える中島

中島裕之インタビュー(1)

 西武から海外フリーエージェント(FA)権を行使し、アスレチックスに移籍した中島裕之内野手(30)が24日、スポニチのインタビューに応じた。大リーグ移籍の原点は、04年日米野球でのロジャー・クレメンス投手(50)との対決にあったことなどを激白。メジャー1年目へ自然体で臨む中島の本音に迫った。

 ――念願だった大リーグに挑戦する。

 「試してみたいという気持ちが強いですね。野球の形も違うと思う。でも日本で試合が始まってグラウンドに立てばみんな自然にやるように、違う国に行ってもボールを追いかけてやると思う」

 ――メジャーを目指すきっかけは。

 「04年の日米野球ですね。僕は日本で一番下(22歳)でしたけど、向こうには同い年ぐらいの選手がたくさんいた。昨年3冠王のカブレラや03年新人王で左投手のウィリス(ともに当時マーリンズ)…。まだ(体が)細かったので、ユニホームを交換した時にウィリスには“もっと鍛えろよ”って言われました」

 ――第5戦ではメジャー通算354勝で「ロケット」の異名を持つクレメンス(アストロズ)から2安打。

 「(対戦時に)ツーシームというかシュートみたいな球が1球内角に来た。その球が日本にあまりない球種で、こんな感じで球が動いたりするのかって。クレメンスの球を見て、そこからずっと(メジャーへの)興味が湧いた。向こうの投手はどんな球を投げるのか見てみたい、というのが一番ですね」

 ――西武に所属した昨年は、相手投手が外国人選手の試合になると、メジャーの「予行」をやらされていたとか。

 「ヘルマンとか(同僚の外国人)みんなからですね。メジャーでは少し(球の軌道を)ずらしたり、動かすのが基本の投手だから“きょうはテストだと思ってやれ”と言われました。この投手はメジャーでも主流とか、ケッペルやウルフ(ともに日本ハム)のような投手が5番手で出てくるとか…。あとは、どのチームにも1人や2人はえげつないのがおるとかですね」

 ――西武では外国人選手とすぐに仲良くなった。オフには同僚の家を訪ねてベネズエラやプエルトリコまで出かけている。

 「僕が試合に出始めたころにアレックス・カブレラ(01~07年西武在籍)が“横に座れ”、“メシ行くぞ”とか、“家に泊まりに来い。そこから試合に行けばいい”って声を掛けてくれた。その後も外国人選手が行くようなお店に連れて行ってくれて紹介もしてくれた。同じことをしているだけ」

 ――具体的には。

 「キャンプ中に新しく来た選手みんなを1回はご飯に連れて行く。彼らはホテルの周りに何があるか分からなくてずっと部屋にいるから、ストレスがないようにさせてあげたかった。シーズン中は外国人が好きそうなお店に最初だけ連れて行って、あとは好きな時にって場所を教える。1年終わった時もみんなでご飯にいく、そういうふうに毎年していた。そうしたら新しく来る選手、来る選手が話を知っていて、会うなりすぐに“○○と仲良かったから、おまえのこと聞いてるよ”って。そうやって仲良くなっていましたね」

 ――スペイン語で少し会話ができると聞いた。

 「日本に来た外国人選手が最初に覚えるような感じの言葉は大丈夫。悪い言葉が多いですけど」

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