4発被弾、大敗も…日本、決勝再戦でリベンジだ

[ 2010年8月2日 06:00 ]

試合後、キューバナインと握手をかわす斎藤(中央)ら日本ナイン

 第5回世界大学野球選手権第3日は1日、神宮などで1次リーグ3試合を行い、2連勝中の日本はWBC代表7人を含むキューバと対戦。先発の藤岡貴裕投手(東洋大3年)、157キロをマークした菅野智之投手(東海大3年)ら5投手が4発を含む16安打と打ち込まれ、7―12と敗れた。これで日本は予選リーグを2勝1敗で終了。B組2位が決定した。3日からの準々決勝では、A組3位(相手、場所は未定)と対戦することになった。

 完敗だが、理由は分かっていた。試合後、榎本監督は「内角をもっと突かないといけなかった。もっと厳しく、ぶつけていくつもりでよかった」と振り返った。好投手を擁しながら打ち込まれた原因こそが、打倒キューバの鍵となる。
 先発の藤岡が初回、昨春WBCにも出場した3番オリベラ、同じくWBC組の5番セスぺデスの2発を浴びた。2回に鈴木大の3ランなどで一時逆転したが、リードを守りきれず4回7安打4失点でKO。東洋大を大学日本一に導いた左腕は「変化球をうまく使えばよかった」と悔しがった。
 7回から登板した巨人・原監督のおい、菅野も2被弾で3回3安打3失点。自己最速を2キロ上回り、沢村(中大)に並ぶ大学生最速の157キロも計測。5奪三振で場内を沸かせたのが、数少ない見せ場だった。
 この大会は02年からキューバに4連敗となったが、今回のチームは別格だ。09年のWBC代表はオリベラら6人、準優勝した06年のWBCメンバーも1人いる。チームの大半が学生のレベルを超えた国の代表。それでも日本は試合前夜、都内のホテルでスペイン語の野球用語を頭に叩き込み、攻略の糸口を探したが、壁は厚かった。
 ただ、斎藤、大石(いずれも早大)らエース級はまだ見せていない。この日打ち込まれた投手陣もリベンジを期す。互いに勝ち進めば7日の決勝で再び激突する。榎本監督は言った。「(キューバと再戦したら)次はケンカ野球で行きます。勇気も持って戦う。相手にぶつけたら僕が殴られればいい」。突破口は厳しい内角攻め。その時、日本の投手陣は鬼となる。

 <鈴木大、一時逆転弾>日本の1番鈴木大の強烈な一撃だった。2回に3ランを放ち一度は逆転。キューバを慌てさせた。初回にも先頭打者として中前打。3失点で意気消沈のベンチを奮い立たせた。鈴木大は「キューバを意識することなく、普通に戦えた」と話したが、「ここ一番の集中力は凄かった。見習わなくてはいけない」と日本との差も口にした。

 ◆負傷 日本代表の渡辺貴美男内野手(国学院大4年)が、キューバ戦の6回に走者と交錯。7回に途中交代後、都内の病院で右ひざを6針縫い、全治10日間と診断された。

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