阿部主将が原監督に“メニュー仕分け”提案へ

[ 2010年1月12日 06:00 ]

坂本勇人と笑顔で成田空港に現れた阿部慎之助(右)

 巨人の阿部慎之助捕手(30)が11日、自主トレ先のグアム入り。2月1日から始まる宮崎キャンプでの練習を効率よく行うため、無駄な時間を排除する“メニュー仕分け”を原監督へ提案する考えを明らかにした。キャンプ前日に宮崎で指揮官へ異例の直談判を行う。民主党政権が予算削減の目玉として昨年実施した「事業仕分け」顔負けの斬新なアイデア。主将がキャンプ改革にメスを入れる。

 チームを“大人の集団”に進化させたい。阿部の表情は主将の自覚に満ちていた。「無駄をできるだけなくして、チームより個人練習を大事にしたい。監督はいろいろ意見を聞いてくれるので(キャンプ前日の)31日に直接話せたらなと思う」
 (1)早朝散歩の自由参加 首脳陣の意向で毎年キャンプ中は午前7時ごろから原則全員参加で毎日、ホテル付近を散歩していた。「もちろんしたい人はすればいいと思う。ただ全員でなくてもいい」。各自のペースで早朝を過ごして全体練習開始の午前9時半に万全の状態で臨む。個々の調整を重視すると同時に、練習へ打ち込む万全な環境も整える。「勇人(坂本)や工藤は早めに体を動かしたいと言っていた。それなら球場へのバスを早い時間に出せばいいと思う」と強調した。
 (2)投内連係の回数削減 キャンプで例年初日からほぼ毎日時間を割く投内連係の在り方にも疑問を呈した。「(大勢の人数が参加するので)ただ立っている時間も多い。下手なら1クールに1回とかでビシッとやることを考えた方がいい。個人練習でもできることはある」。シーズン中にも起こり得るプレーを想定した大事な練習だけに、量より質を求めなければいけない。阿部の主張は明快だった。
 集団より個人を重視した“メニュー仕分け”は自主性を尊重すると同時に各選手の責任が増すことも意味する。リーグ4連覇を目指す今季は他球団が並々ならぬ決意で挑んでくるだけに、個人能力のレベルアップは不可欠だ。「テツ(内海)が選手会長だけど、なったばかりだし、分からないことも多いから一緒にやりたい。主将だしね」。原政権の中枢を担う阿部主将が無駄を徹底的にそぎ落とす。

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2010年1月12日のニュース