色あせた本塁打王 丸8年過ぎて告白のウラ事情

[ 2010年1月12日 10:41 ]

 マグワイア氏が引退から丸8年も過ぎた今、現役時代のステロイド使用を告白した。球界に古巣カージナルスの打撃コーチとして復帰するためには避けて通れないハードルだった。

 マグワイア氏の現役時代には薬物使用の罰則はなく、球界に戻らないなら沈黙を保ってもよかった。だが、2月のキャンプインが近づき、コーチとして活動するには疑惑を認め、謝罪するしかなかった。
 同氏はカージナルス時代の1998年にソーサと本塁打王を激しく争い、当時の大リーグ最多を更新するシーズン70本塁打を記録。全米の注目を集めたが、これで功績は完全に色あせた。
 同氏が現役を引退した後、大リーグは薬物使用に次々と検査や罰則を設けてきた。ヤンキースのロドリゲスは昨季前にレンジャーズ時代の筋肉増強効果のある薬物使用を認め、昨季途中にはドジャースのラミレスが薬物規定違反で50試合の出場停止処分を受けた。
 2人はプレーを続けているが、300勝投手のクレメンスは疑惑を否定し、通算762本塁打、シーズン73本塁打の大リーグ記録を持つボンズは知らずに使ったと証言して偽証などで起訴された。ともに2007年を最後にプレーしていない。
 マグワイア氏は野球殿堂の候補者となってから4年連続で落選。過去500本塁打以上を記録した有資格者の中でただ一人殿堂入りを果たしていない。浄化が進む大リーグで薬物疑惑への風当たりは強い。

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2010年1月12日のニュース