横浜ナインもショック…ハマスタ転落男性死亡

[ 2009年8月30日 06:00 ]

<横・広>試合前、今月27日にファンが転落した付近に清め塩をする球場関係者

 27日に横浜スタジアム(横浜市中区)で行われた横浜―阪神戦で試合中に右翼席から転落し、意識不明の重体だった静岡県沼津市大諏訪の会社員後藤康彦さん(36)が29日、搬送先の横浜市内の病院で死亡した。78年のスタジアム開設以来、観客席からの転落による死亡事故は初めて。遺族らが球場に献花に訪れ、球団関係者もショックを隠せない様子だった。

酔った男性5メートル転落…衝撃の横浜スタジアム

 神奈川県警加賀町署によると、後藤さんは29日午前9時18分に横浜市内の病院で死亡。死因は脳挫傷、頭蓋(ずがい)内出血とみられるという。この日夜、沼津市内の自宅に戻った。

 後藤さんは27日に家族、友人と右中間席で試合を観戦。途中で酒に酔って何度もフェンスを越えようとして警備員に止められたが、午後8時40分ごろ、8回の阪神の攻撃中に勢いあまってフェンス(高さ約1メートル)を乗り越えて約5メートル下のグラウンドに転落、担架で運び出された。頭を強打しており意識不明の状態が続いていた。試合は2分間中断した。

 ともに試合を観戦し、病院に搬送後は泊まり込みで容体を見守っていた遺族と関係者計5人がこの日午後1時すぎ、スタジアムを訪問。転落した場所で手を合わせて献花した。球場関係者によると、右中間席から5メートル下の転落地点を見つめて「高いね…」と言葉を詰まらせ「ご迷惑をお掛けしまして申し訳ございません」と何度も頭を下げたという。

 ナイター練習の前には横浜の選手、スタッフが後藤さんの転落場所を確認するなどチーム関係者も動揺を隠せなかった。横浜ファンで、静岡県出身で同郷の石川を熱心に応援していたという後藤さん。遺族にサイン入りの色紙とボールを渡した石川は「“応援してくれてありがとうございます”とメッセージを入れました。複雑な気分です…」と厳しい表情を見せた。村上チーム運営部門統括も「本当に残念だしショックを受けている。ご冥福をお祈りします」と沈痛の面持ちだった。

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2009年8月30日のニュース