ダル自己最多16勝!ハム再び3位浮上

[ 2008年9月30日 06:00 ]

<日・ロ>完投で16勝目を挙げたダルビッシュを握手で迎える梨田監督

 【日本ハム2―1ロッテ】日本ハムのダルビッシュ有投手(22)が29日、ロッテを5安打1失点完投に抑え自己最多の16勝目を挙げた。CS進出へ絶対落とせない一戦で12三振を稼ぎ4試合連続2ケタ奪三振、2年連続200奪三振を達成。防御率も楽天・岩隈を抜いてリーグトップに躍り出た。自力でのCS進出はないが、エースは、10月1日のレギュラーシーズン最終戦も、中継ぎ登板を志願した。

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 4万2126人、超満員のファンの大歓声が試合終了直後の札幌ドームにこだました。「きょうは試合前から勝てるもんだと思っていました。あさって勝てるようにまた中継ぎで投げたいと思います」。5安打114球の完投。崖っ縁のチームを救い、自己最多の16勝目を挙げたばかりのダルビッシュは、最終戦となる楽天戦(Kスタ宮城)での登板を志願した。
 したたかだった。1点リードの9回2死、里崎を2―0と追い込んだエースは大きく息を吐く。「打者に気合を入れたと見せかけた。スライダーを投げるための布石です」。剛球投手なら最後は自慢の直球を投げ込んでくると思わせ、外角へ128キロのスライダー。バットが空を切るのを確認するとこん身のガッツポーズで雄叫びだ。
 ロッテには借りがあった。五輪前最後の登板となった7月24日の一戦で橋本に満塁弾を浴びるなど5失点し敗戦投手になったが、直球勝負のイメージを植え付けた。「僕は直球で勝負に来ると思っているはず」。その残像を利用し変化球を巧みに使い12三振を稼いだ。5回には里崎の折れたバットが飛んできたが、グラブで叩き落とす気合も見せた。
 9月負けなしの5連勝、2年連続200奪三振など記録ラッシュ。「200個目は分かってました」と白い歯を見せたが「これでチームに勢いが出たし、ロッテは勢いが落ちたと思う」とCS進出に自信をのぞかせた。
 梨田監督は「最終戦は先発じゃないの?」と冗談を飛ばしながら「あの気持ちを買いたい。あるとしたら8、9回かな」とクローザーでの起用を示唆した。「プレッシャーのかかる試合で勝つことが僕の仕事。長い回じゃないだろうし大丈夫」。さらりと言ってのけたダルビッシュ。こんなに頼りになるエースはどこにもいない。

 ≪田中 ダル援護≫日本ハム・田中のバットがダルビッシュを援護した。6回に7月19日オリックス戦以来の11号ソロで先制。同点の8回1死一、三塁では二ゴロも三塁走者・糸井が勝ち越しのホームイン。「本塁打?狙ってました。(8回は)やっちゃったと思ったが(糸井)嘉男に感謝です」と笑った。

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2008年9月30日のニュース