川口 再試合で完封!平安通算90勝

[ 2008年3月31日 06:00 ]

<平安・鹿児島工>再試合は一人で投げ鹿児島工を完封した平安・川口

 第80回選抜高校野球大会第9日は30日、甲子園球場で3回戦を行い、第1試合は平安のエース・川口亮投手(3年)が鹿児島工(鹿児島)を6安打完封。延長引き分け再試合となった一戦を制し、5年ぶりの8強進出を決めるとともに、甲子園春夏通算90勝目を挙げた。智弁和歌山(和歌山)、天理(奈良)もそれぞれベスト8入り。なお第4試合の沖縄尚学(沖縄)―明徳義塾(高知)は降雨のため31日に順延となった。決勝は4月4日に行われる予定。

【日程と結果


 【平安1-0鹿児島工】両手を突き上げた表情に自信がみなぎる。中1日で迎えた鹿児島工との引き分け再試合は初の6安打完封。川口が気迫の118球で最少得点を守り抜いた。チームも5年ぶりの8強進出で、甲子園春夏通算90勝に到達だ。「甲子園のマウンドは投げやすい。自然に気合が入る。出来は90点。自分がゼロに抑えればいいと思ってました」

 研ぎ澄まされた集中力は極限まで引き上げられた。初回無死一塁では、福迫の投前バントを迷わず二塁カバーの河野へ送球してアウト。6回無死一塁でも一塁手、三塁手の極端な前進守備から梶丸を投前バントに追い込み、好フィールディングで二塁封殺だ。
 「本当によく投げてくれた。集中力だと思う。これが甲子園の力なのかもしれませんね」と原田監督。初戦の成章戦前は不調から先発起用をためらったが、1戦ごとに風格が備わってきた。自信の裏付けになったのが冬場の走り込み。「1日最低でも10キロは走りました」。強じんな下半身が力投と好守を支えた。

 4日間で3試合、計324球を投げ込んだエースは4月1日も先発を志願した。「次も大丈夫。気を入れて投げたい」。4月から龍谷大学付属平安に校名変更されるが、甲子園では引き続きHEIANの名で戦う。「アルプスからまだ終わらんぞ、と声が聞こえた。私も一OBで一平安ファン。同じ気持ちです」と原田監督。聖地で変身を遂げた左腕に引っ張られたチームが36度目のセンバツで初の頂点に突き進む。

 <鹿児島工 内村、夏にリベンジ誓う>涙はなかった。右ひじ痛の鹿児島工・内村は「投げたかったけど投げる自信がなかった」と話すのが精いっぱい。28日に194球を投げ、限界を超えたエースは最後までマウンドに立つことはなかった。試練は続く。昨秋の県大会以来となる右翼の守備に入った4回、一瞬の判断ミスに泣いた。2死から平安・児玉の打球を追いかけグラブに当てるも落球し三塁打。先発を託した石堂が中前打を浴び両軍唯一の点が入った。「1歩目が逆だった。風を頭に入れず漠然と守ってしまった。でも夏にまた帰ってきて、今度は全試合投げたい」。内村は強い決意を胸にしまい聖地を去った。

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2008年3月31日のニュース