2軍落ち志願も 中田、一から出直す

[ 2008年3月10日 06:00 ]

<日本ハム・巨人>オープン戦が終わった札幌ドームで居残り特打をする中田

 【日本ハム1―2巨人】日本ハムの高校生ドラフト1巡目・中田翔内野手(18=大阪桐蔭)が9日、巨人とのオープン戦(札幌ドーム)で8回に代打出場したが、マーク・クルーン投手(34)に二飛に倒れた。これで自己ワーストの11打席連続無安打。試合後は現時点で1軍レベルの実力がないことを自ら認めると、プロ入り後初の居残り特打を実施。2軍落ちさえも志願し、一から出直すことを誓った。

 威勢のいい言葉はなかった。8回1死から代打出場もクルーンのフォークに当てるのがやっと。結果はバットが折れての二飛。2球目の158キロ直球の残像が効いた。「今の自分にあの速さは打てない」。これで11打席連続無安打。自己ワーストを更新した情けなさが中田の全身を覆った。
 「1軍でやれたら勉強できることがたくさんあるし、気持ちの高ぶりも違う。ただ2軍でも自分よりレベルの高い人はいる。今の自分なら2軍に落としてもらった方がいいくらいで、開幕1軍とか言えるレベルじゃない」。首脳陣は14日をメドに1軍メンバーを決めるだけに、リミットが迫る重圧に2軍行きを志願したのかもしれない。
 「キャンプでは“自分でも通用できる”と余裕もあったが、他球団の投手が出来上がったら手も足も出なくなってしまった」。結果が出ないことが悪循環を招く。練習に集中力を欠き、福良ヘッドコーチや真喜志内野守備コーチから練習姿勢をしっ責された。それでも立ち止まってばかりいられない。「自分の位置(当落線上)がようやく理解できるようになった。甘く見すぎてました」。試合後には初めて居残り特打を志願。約50分間の打ち込みを行った。試合前から肩とひじの開きを矯正した中島打撃コーチは「中田もオレらも辛抱強くやっていかなければならない」と語った。
 中田には誰にもマネできないパワーがある。これが“球界の宝”だからこそ、梨田監督は「(2軍降格は)こっちが決めること。いらん世話するな」と、しったした。ただ追いつめられて中田の目が変わったことは確かだ。「(1、2軍の)どっちにしても一からやり直しです」。10日からは関東遠征。中田を取り巻く情勢は厳しいが、最後の審判が下されるまで全力を尽くすしかない。

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2008年3月10日のニュース